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まだ何も手にしていない。自分たちの手で掴み取ろう。

[ 2022~ 中部大学 ]

4月15日に開幕した東海学生春季ハンドボールリーグ戦もラスト1試合。ここまで開幕して5週間。現在、開幕8戦全勝(勝点16)。5月21日の名城大学戦との一戦を残すのみ。

4月を終えた時点で開幕4連勝。5月5~7日にかけての勝負の3連戦。5日の愛知大学戦、6日の岐阜大学戦を2連勝で切り抜け、開幕6連勝で7日の中京大学戦を迎えた。共に6戦全勝同士の負けられない一戦。

当日は雨模様。ウォーミングアップの時からスリッピーなフロア状態だったが、何とか予定通り試合開始。試合開始から両チームの学生たちはツルツルに滑るフロアで何とか懸命にプレーしていた。ボールを回しをするのが精一杯で、フェイントをかけることすらままならない前半戦だった。前半を終えた時点で14-9の5点リードでハーフタイムへ。

ハーフタイムでは、いつものように学生たちが前半を振り返りつつ、後半に向けての戦い方を再確認している最中に「この試合は一旦中断する」とアナウンスがあった。同じコートで予定されてた5月7日の試合は全て中止になった。

前半の両チームのプレーからも、あのツルツルに滑るフロアの状態で後半をプレーするのは困難だと感じていた。もちろん、どんな環境や状況でもやるからにはベストを尽くすが、怪我や事故になる前に判断してもらえて良かったと思う。

翌日の5月8日の東海学生ハンドボール連盟の理事会で5月13日(土)に0-0の状態から再試合になることが確定。5月9日のチーム練習の際に学生たちに再試合の件を伝えた。

【令和5年度春季リーグ戦(5月7日中止分)の振替について(通知)東海学生ハンドボール連盟HPより】

本来であれば、5月5~7日の3連戦を終えて、5月14日の大同大学戦の1試合にフォーカスして準備をする予定だった。しかし、再試合が確定したことで週のトレーニングプランを変更して、5月13日の中京大学戦(再試合)&5月14日の大同大学戦の2試合の準備をして勝負の2連戦を挑むことになった。

日本リーグ時代に、台風や大雪、あるいは新型コロナで試合開始前に中止という経験は、何度か経験してきた。しかし、一旦始まった試合が中断して、再試合になる経験は僕も初めてだった。

言葉で言うのは、簡単だが一旦始まった試合が途中で中断し、再試合になる。そして万全の状態ではないとは言え、一旦5点リードで前半を終えた試合を0-0からやり直す。ってそんなに簡単なことではない。(それ以上に14-9の5点リードで後半から再開っても難しいかもしれない。)

そんな中で迎えた5月13日の中京大学戦。

お互いに前回のスタートメンバーとは若干違うメンバーがコートに立っていた。そしてお互いに幻に終わった前回の対戦でかなり相手の情報を得ていた。フロアが滑ったとは言え、30分はお違いに一度はがっぷり四つに組み合っているので当然と言えば当然。かなり研究されている感じだった。それでも前半を終えて12-9の3点リードでハーフタイムへ。

3点リードで迎えた後半。開始直後から、中京大学の猛攻を防ぎきれずに一気に追いつかれ、そのまま逆転を許してしまった。一時は3点差を追う展開。苦しい状況の中、キャプテン谷前の連続得点などで何とか持ちこたえ、再び同点に追いついた。その後一進一退の攻防が続いたが、GK境のファインセーブからや速攻などで再逆転に成功。そのまま逃げ切り25-23の2点差で中京大学との激闘を制した。

5月14日の大同大学戦は朝、中部大学に集まってチームミーティング。

中京大学戦から大同大学戦に繋がる修部部分の共有と大同大学の対策を最終確認。最後は作取監督からここまできたら「気力」だと学生たちへの熱いメッセージで闘魂注入。バスで試合会場の南山大学へ移動。

大同大学戦は朝から雨模様。試合会場のエントランスで雨をしのぎながらのウォーミングアップ。フィジカルリーダーの中村&メディカルスタッフを中心に試合への準備を進めていった。

勝負の大同大学戦開始。前半序盤から鬼気迫る形相で学生たちはDFでハードワークし、我先にと速攻へ飛び出していった。前半を終えて17-10の7点リードでハーフタイムへ。

ハーフタイムでも前半、コートで感じたことをそれぞれが口にして、共有していく。それを聴きながら、前半のスコアから量的な傾向。前半のプレーから質的な傾向をスタッフから学生たちにフィードバックし、後半へのゲームプランを最終確認。

後半開始早々に、前日の中京大学戦から獅子奮迅の活躍でチームを引っ張ってきたキャプテン谷前が相手選手と激しい接触。コートに倒れこむ谷前。ベンチからメディカルスタッフがコートに入る。谷前、無念の一時離脱。キャプテンがコートから離れることになった。汗で濡れたコートにモッパーが入る。キャプテン不在の中、コートに残るメンバーが集まり「我慢の時間に今、何をするのか」を確認しあっていた。

「我慢の時間」を前半以上の集中力で凌ぐ。メディカルスタッフの確認のもと、再びコートに戻る谷前。再加速するコート内。最後まで「気力」を振り絞ったプレーの連続。終わってみれば31-19の12点差で勝利することができた。

タイムアップの笛と共に肩を震わせる谷前。そんな谷前を揉みくちゃにするチームメイトたち。

試合前に谷前はこんなことを教えてくれていた。「めっちゃ緊張するっす。僕ら入学してから一度も公式戦で大同大学に勝てたことないんすよっ。だから絶対に勝ちたいっす。」

有言実行。これで開幕8戦全勝。勝点16。

しかし、まだ何かを手にした訳ではい。まだ何も手にしていない。自分たちの手で掴み取ろう。全ては5月21日の名城大学との最終戦で決まる。あと一つ。

今日からまた新しい1週間。これまでと同じ様に、最悪を想定して、目の前の事に集中し最善の準備をしよう。