2025東海学生秋季リーグ戦 ~無敗で優勝~

【秋季リーグ戦 無敗で優勝】
東海学生秋季リーグ戦を終えた。期間は8/31~10/4の6週間で9試合。9戦8勝1分0敗(勝点17)で優勝することができた。合計24名の選手が出場しチームとしては得点:391 失点:207 得失差:+184 という内容だった。
何はともあれ、やっとこさハール(作取部長)を胴上げできた。最高や。感無量や。
西日本インカレ後からのチームの動きと秋季リーグの第1~9戦まで試合のポイントを振り返ってみる。
【西日本インカレ後のチームの動き】
西日本インカレでは準々決勝で大阪体育大に1点差で敗れベスト8を終えた。選手たちは福岡で解散し帰省してOFF。8/25からチーム活動再開。
国民スポーツ大会(以下、国スポ)ブロック予選参加、リーグHチームへの練習参加、就職活動及びインターン参加していた学生の合計10名は集合日から遅れてチーム活動に合流。
秋季リーグに向けての準備期間は決して長くなかった。チーム全体のバランスと遅れて合流した10名のコンディションを考えながら開幕戦のメンバーを決めることにした。
またU19日本代表と国スポの活動で長期間チームを離れていた村田がOFF明けから再合流。エジプトから帰国後に電話で個人面談。久しぶりにゆっくりと話をして村田が考えていることを聴かせて貰った。エジプトで感じた世界との距離感をチームに還元して欲しい。
西日本インカレ組の再強化。西日本インカレメンバーから落選した濱野、斎藤らの奮起。怪我による長期離脱からの復帰直前の池田・平田。そして世界を経験した村田の再合流。
インカレを見据えて主力と新戦力の融合が秋季リーグの最大のテーマ。そのテーマをチーム全体で共有しながらチームとしても個人としても勝利と成長のためにベストを尽くして優勝する。
上記のチームの目標を達成し、テーマにしている内容を遂行するための強化策。条件的には8/25~9/18までは夏期休暇中。この4週間弱は徹底強化期間。基本的に午前&午後の2セッション。ウェイトやフィールドトレーニングとハンドボール練習を組み合わせて強化を図った。火、木は2コート連動させて60名弱いる部員が基本的に全稼働する環境を可能な限り整えた。
9/19~は秋学期開始。朝、授業前に希望者でのバイキング形式の個人練習。授業終了後にチーム練習。夏休み期間の1日に2回の練習機会から基本的に1日1回の練習機会になり。運動強度は保ちながら、運動量は少し落ちる(落とす)。9/27に中京大、9/28に名城大との連戦。翌週10/4に大同大との最終戦。この期間にピークが来るように期分けした。

第1戦(8/31 vs 名古屋大学) ○50-23(22-10・28-13)
開幕戦でACL損傷で長期離脱していた池田が長いリハビリ期間を乗り越えて復帰。
西日本インカレ落選の悔しさを力に変えたGK濱野太一が痺れるプレーを見せた。
公式戦初出場2名も含めベンチ入り16名全員が出場、CP全員得点。1年生の深尾、大城ら新戦力も躍動。
短い準備期間ながら全員で流れを作れた試合。失点は目標より少し多いが、まずは勝って兜の緒を締める形。

第2戦(9/6 vs 愛知教育大学) ○37-22(16-11・21-11)
春季リーグで終盤逆転しギリギリ1点差で勝利した相手に15点差で快勝。
まだ改善の余地はあるものの、DFの要でもある斎藤がこの試合から合流。
8月上旬から準備をしていた斎藤&池田とのユニットが本格始動。

第3戦(9/7 vs 朝日大学) ○45-19(22-9・23-10)
春季リーグで5点差だった相手に26点差で勝利。
前日に課題のでOFでのシュート精度やDFでのボールに密集して準備をする部分も少し改善された。
新戦力と主力が噛み合い、チーム全体で勢いをつかんだ。

第4戦(9/13 vs 岐阜聖徳学園大学) ○45-26(21-13・24-13)
春季で引き分けだった相手に19点差で勝利。
GK濱野の痺れるセーブ、池田・斎藤のDFユニットが守備の軸として機能。
失点はまだ少し多いが、開幕4連勝で序盤戦の勢いは十分。チームの成熟を感じられた試合。

第5戦(9/14 vs 愛知産業大学) ○49-16(24-5・25-11)
前半からDF・GK陣がハードワーク。
ベンチ入り16名全員が出場し、それぞれの役割を全う。
長期離脱していたRW平田海里が8か月ぶりに復帰し、チームに大きな一歩。
全員で勝ち取った快勝。
実は海里と西日本インカレ後にキャプテンの平野らも交えてゆっくりと話をした。現状の海里の立ち位置、コンディション、その上で何が必要か。海里個人がやっていく事を綿密に擦り合わせることができた。ここから復帰までの3週間は全体練習と並行してフィジカルトレーニング、シュートトレーニングを繰り返した。そのプロセスを経て、万全の準備をして復帰戦を迎えた。その上での一発回答だった。

第6戦(9/21 vs 愛知大学) ○59-13(30-4・29-9)
第4~6戦で合計60失点以内をテーマに設定。
愛知大戦の目標は18失点以下だったが、前半序盤からGK三浦が鬼神の如くスーパーセーブを連発し前半4失点に抑えた。
後半も緩めることなくハードなDFからFBを継続。59-13で勝利し、開幕6戦全勝。
次週からはいよいよ全勝対決。

第7戦(9/27 vs 中京大学) ○35-29(16-15・19-14)
互いに6戦全勝で迎えた大一番。
春季で13点差で負けた相手に6点差で勝利。
昨年春季リーグから3戦連続完敗していた中京大に久しぶりの白星。
DF・GK陣が要所で踏ん張り、OFでは主力と新戦力が連動。
春季リーグの悔しさを晴らす価値ある勝利。
この日は須坂コーチが仕事の関係でベンチ入り出来なかったが、副キャプテンの北澤がベンチ入りして、出場選手のサポート役をしっかりとやり切ってくれた。

第8戦(9/28 vs 名城大学) △32-32(16-13・16-16)
7戦全勝同士の一騎打ち、正しく天王山。
序盤から僅差でリードを保ちながら進めたが、最後に名城大の粘りで追いつかれ、ドロー。
サヨナラゴールを決められた直後はコートに崩れ落ちる選手もいた。結果的にではあるが、この試合に勝利していればこの時点で優勝が決まっていた。数字上には見えない勝負所でのシュートミスやこの一本守ればという場面での失点など、まだまだ伸び代を感じる。これで8戦7勝1分。
名城戦の痛恨のドローの後にキャプテンの平野と試合を振り返ってゆっくりと話をした。平野がコートの中で感じたことを聴かせてもらい、僕がベンチから見ていて感じたことを伝えた。その上で最終戦に向けて「どんな準備をしていくのか?」を確認した。

第9戦(10/4 vs 大同大学) ○39-27(18-11・21-16)
試合前ミーティングで「自分たちのやってきた事、普段の力をを出せば必ず勝てる」と口にする学生たち。
彼らがこの秋季リーグで大切にしてきた事、やってきた事は「ベストを尽くす」という事。その為に「一本目」「一つ先」「一瞬」を大切にしようと全員で確認。その一つ一つの積み重ねがチームの「一体感」を作り出すじゃないかと思う。
1つのボールを必死に守り、着実に得点を重ねた。 チーム一丸で掴んだ12点差の勝利。秋季リーグは9戦8勝1分で終了。 僕らの試合の後に名城大vs中京大の試合が残っていたので、この時点では優勝は確定していない。(が得失点差の関係で、事実上ほぼ優勝は間違いない。)状態で、最終戦を終えた。

【個人表彰 ~最優秀選手は平野、ベスト7にハリス、三浦、福原~】
左からLBハリス、CB平野、GK三浦、RB福原
ハリスは1年生ながら抜群の跳躍力を活かしたロングシュートで得点を量産。平野は司令塔としてもキャプテンとしてもチームのよくリードしてくれた。三浦はGK陣の軸として安定感と爆発力を兼ねそなえる活躍だった。福原は春季リーグは1試合も出場できずに悔しい思いをした。その男が今大会も奮起、西日本インカレ同様に好調を維持してくれた。
【ハンドボールに集中するために】
思い起こせば、春季リーグは9戦6勝1分2敗でギリギリ3位だった。試合内容的には4勝5敗でもおかしくなかった。チーム状況もハンドボール以前の問題が多かった。恥ずかしい話が「時間を守ろう」「寝坊しないように」「体調不良に気をつけて」とか試合の前日、当日でもそんな状態だった。
そんなチーム状況の中でも、去年の教訓を活かして西日本インカレシード権獲得のために「春季リーグ3位以上は死守」が最低条件だった。土俵際でギリギリ踏ん張って最終戦でなんとか3位を死守できた。
ハンドボールに集中しようとしても、ハンドボール以外のことでノイズが入る。
西日本インカレに向けて、ハンドボールに集中するために、ハンドボール以外の部分と向き合い、整える。当たり前の事を当たり前にできるように、その当たり前のレベルを上げる。先ずはそこからだった。
臭いものに蓋をして現状で何とかやる。清濁合わせ飲んで何とかやる。というのも時には必要かもしれない。でもそれだと根本的な部分は解決していない。問題や課題がないチームや人なんていない。何かが起きたら、その事と向き合って解決する。解決しようとする。見て見ぬ振りをしない。最後までやり切る。やり抜く。それが大切。
その事に学生たちが気づいて、少しずつ当たり前のレベルが上がってきた。これが西日本インカレ前。春季リーグ戦で悔しい思いをしてきた人、壁にぶつかってきた人はこの頃に悪戦苦闘しながらもがいていた。しかし逃げずに立ち向かっていた。
西日本インカレ直前も本当に色々とあったけど、違和感や異変に気がつくようになった。春季リーグとは違って学生たちが何か起きると一度立ち止まって、解決しようとするようになった。
西日本インカレは結果的に大阪体育大に一歩及ばずベスト8に終わったが、チームとしては少しずつ闘える手応えを感じている様子だった。
そして迎えた今回の秋季リーグ。チームとしても個人としても「ベストを尽くそう」を合言葉に自分たちの成長に目を向けて歩みを続けた。ベストを尽くせていないと感じた時は「これってベストを尽くせているか?」「どうすると良かった?」と何度も問い掛けた。
ハンドボール以外の事に意識を向けて、アンテナを張ることで少しずつハンドボールに集中できるようになってきた。その結果が今回の8勝1敗での優勝だと思う。
彼らの最終目標は「インカレ優勝」「日本選手権でのリーグH勢撃破」である。何を言っているんだと笑う人がいるかもしれない。彼らが立てた目標に向かってこれからも「ベストを尽くそう」。まだまだ道半ば。
秋季リーグ戦中、中部大学ハンドボール部に関わって下さった全ての皆さん、本当にありがとうございました。安全なリーグ運営をして下さった東海学生ハンドボール連盟の皆様、本当にありがとうございました。
最後に学生の成長ために常に当たり前のようにベストを尽くしてくれるスタッフの皆さん。選手のために何かできないかと?とアンテナを張って頑張ってくれるマネージャーの皆さん。毎試合のダイジェスト動画を配信すると決めてやり切ってくれた広報チームの皆んな。日々ハンドボール、自分、チームと向き合い続けてくれる選手のみんな。本当にありがとう。
今度はインカレに向けて、またみんなで頑張っていこう。









