第2回ドイツハンドボールチャレンジツアーのトライアウトが無事に終了した。
【サバイバルゲーム】
今回の対象は中学生男子。まだまだ身体も心も成長の途中にある世代だが、彼らの目は本気だった。ハンドボールを通して世界に挑みたい、その想いが全身から伝わってきた。このトライアウトは、学校の部活でも、地域のクラブでもない。そこに所属している中学生が、自ら手を挙げて飛び込んでくる場所。自分で「行きたい」と思った子だけがここに立っている。だからこそ一人ひとりの覚悟が違う。主催者の牟田さんがしきりに口にしていた「これは生き残りをかけたサバイバルゲームなんだ」という言葉が、まさにその場の空気を象徴していた。普段の実績や肩書きは通用しない。ただ純粋に、ハンドボールと自分自身が篩(ふるい)にかけられる場なのだ。
【有馬選手の存在】
このチャレンジツアーからは、すでに大きな一歩を踏み出そうとしている選手がいる。第1回に参加した有馬が、ブンデスリーガの名門グンマーズバッハと契約し、現在渡航の準部を進めている。夢を夢で終わらせず、現実に変えた先輩がいる。その背中を見ているからこそ、今回集まった選手たちも「自分だって行けるかもしれない」と思えたはずだ。目の前にリアルなロールモデルが存在することの大きさを改めて実感する。
【1日目】
1日目はオリエンテーション&アイスブレイクから始まった。最初は緊張で顔もこわばっていたが、ゲームややり取りを重ねるうちに、少しずつ笑顔が見え始めた。伸びやかな雰囲気のまま、GKとシュートトレーニングへ。そこからはポストとの2on2、さらに3on3へと発展。場面はシンプルだが、だからこそ判断力や駆け引きが試される。思い切りよく飛び込んだプレーもあれば、迷いが出て止まってしまうシーンもあった。中学生の今だからこそ、失敗も含めて全部が学びになる。
【2日目】
2日目は初日の振り返りからスタート。前日練習の映像を見ながら、自分のプレーを言葉してもらい、こちらかのfeedbackを行う。頭を整理した上で2日目のボールセッション開始。身体接触の要素を入れたウォーミングアップ、そこからDFのコンタクトスキルへ。体をぶつけ、押し合い、倒されてもまた立ち上がる。最後はゲーム形式。高校生(関大北陽/仮想ドイツ人)を相手に自分たちより形態的に大きな相手にハードなコンタクトを繰り返した。

【吉田耕平】
ホンダ熊本時代の元チームメイト吉田耕平。今回はGKコーチとしてGK陣の指導にあたってくれた。事前に練習メニューや担当部分の擦り合わせ。アドリブ満載。笑顔いっぱい。20年程前に僕らはほぼ同時期に日本を飛び出した。安定を捨てて、エストニアとドイツへ行った。吉田が先にエストニアに行って、道を切り開いてくれた。そしてまた同じ時期に日本リーグに復帰した。吉田は大崎オーソル。僕は北陸電力BT。それぞれ引退して指導者としてハンドボールを続けている。その吉田と日本の未来に繋がる仕事を一緒にできて最高だった。
【結果に関わらず誰でも何処でも成長できる】
普段の自分がいる場所と違い環境で戸惑った部分もあったと思う。「非日常の中で、どれだけ日常の力を発揮できるか?」「勝負が掛かった時に普段以上の力が出るか?」悔しい思いをした選手も多いだろう。でも、それでいい。少し大袈裟かもしれないが、自らの意志で人生を賭けて勝負する。競争する。その結果、夢への挑戦権を獲得できる人もいれば、掴みきれない人もいる。自分が飛び込もうとしている世界をそう言う場所なのだ。
トライアウトの結果が如何であれ、この2日間で感じたこと、経験したことを糧にして「成長」することは誰にでもできる。地球のどこでもできる。今回参加してくれた17名の中学生のこれからを応援しています。

【主催者の牟田さん】
左からハンドボールカメラマンの山崎さん、GKコーチの吉田さん、櫛田、主催者の牟田さん、牟田さんの想いに共感した専門性の高いスタッフと一緒に仕事ができるのはとてもやりがいを感じる。
牟田さん、今回も素晴らしい機会とご縁を頂きありがとうございました。
トライアウト day1
トライアウト day2






















































