ブログ&ニュース ( 2023年1月 )

枠組みを理解しながら個性を発揮する。型を作りながら主体性も育む。

[ 2022~ 中部大学日々 ]

2022年度に担当している全講義(計160回)を無事終えることができた。健康科学、スポーツC(ハンドボール)を受講してくれた学生の皆さんにとって何か少しでもプラスになっていれば幸いだ。あと少し試験やレポートを頑張って、ええ春休みを過ごして欲しい。

2022年11月のインカレが終わってから作取監督と僕で交互に全国各地の高校生を観てまわっている。どちらかが本体に残り、どちらかがスカウトに出るって感じだ。

高校生の試合のベンチ、あるいは大学生チームのスタッフとして大会視察に来ている元日本リーガーの姿を見かける。

現役選手時代の対戦相手、指導者になってからのライバルチームの選手、日本代表として共に頑張った選手など。試合の合間なので、そこまで話し込むことはないけど、現役選手を引退してもハンドボールに関わって、次世代のために頑張っている姿を見ると嬉しくなるし誇らしくもなる。

負けてられへんなと。

さてさて、ハンドボール部も凍えるような寒さの体育館で熱くハードワークする日々が続いている。年末年始の帰省から戻ってきた学生たちのコンディションも徐々に戻りつつある。流石にオフ明けは体が重そうな学生がチラホラ。

1月中旬以降は高校生が中部大学に集まって練習試合を行う機会が多かった。併設校の春日丘だけではなく、富山、石川、長野からもバスに揺られて高校生が中部大学に足を運んでくれた。

中部大学の学生たちは自分たちがテーマにしている2対2や数的優位時の速攻などを実戦の中で積極的にトライしていた。高校生のみんなも一球一球、必死に頑張っていた。

個人的には高校生、大学生問わず、2対2の駆引きが上手な選手は見ていて楽しい。高校生の皆さんは来週末の大会で全力を尽くせますように。

こうして世代を越えてお互いに切磋琢磨できるのはええなぁ。

練習メニューを提示して、狙いを考えて貰う。狙いや修正箇所を伝えて部分練習メニューを考えて貰う。設定時間を伝えてその中で自由にやって貰う。時には学生に進行役も任せてみる。かと思ったら原理原則に立ち戻る。徹底的に基礎基本をやり込む。そしてまた手放していく。守破離。

枠組みを理解しながら個性を発揮する。型を作りながら主体性も育む。部分的に任せながら一緒に成長していく。

こういうのは、正解も答えもないし、即効性はあまりない。それでも作取監督を中心に学外スタッフにもご協力頂きながら学生たちの成長をみんなで見守る日々。

ここ最近はそんな感じである。



自調自考

[ パートナーハンドボールスクール ]

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。

年末年始は10年ぶりくらいに纏まった休みを取ることができた。妻の実家の金沢で家族と過ごした。長男のカポエイラ、兼六園、スキー、家族での食事会、温泉、石川県立図書館などなど、のんびりとアクティブ(どっちやねん)に休みを満喫した。

1月5日からチームの活動は再開。実家に帰省していた学生たちも元気に戻ってきた。翌日からは授業も始まって、すっかり通常モードだ。

先週末は香川県の高校生の大会へ足を運び、その足で奈良県へ移動。

奈良市中学生選手権に顔を出し、大会後に参加チーム対象のクリニックを行った。中高一貫指導の学校の部活動チーム、地域のクラブチームなど参加チームの顔ぶれは様々だった。

指導者陣からの事前オーダーはDF。特に接触することが苦手だと教えてもらっていた。クリニック前の大会を観させてもらってDFは間合いと接触、OFは状況判断をテーマにしてメニューを作成。

参加者の殆どがハンドボールを始めて2年未満。DFの時に強く接触することに対して恐怖心があるのは当然。OFもまだまだボールウォッチャーになってしまう子が殆どだった。

子供たちにもテーマを伝えて、遊び感覚の中でワイワイと体を動かしてもらった。

「みんな、DFの目的って何やと思う?OFの目的って何やと思う?」って質問して、子供たちに頭を捻りながら考えてもらった。

「DFは得点を決めさせないこと?失点しないこと?かなぁ。」
「OFは得点をとること?シュートを決めること?やと思う。」

思いの外、すっとシンプルな意見が出てきた。

「そうやね。じゃあDFはどんなシュートを打たせたくない?OFはどんなシュートを打ちたい?」

子供たちはゴールから伸びたゴム紐を色んな角度に引っ張ってみたり、目線とボールのリリースポイントの違いを確認してみたり、試行錯誤。

「DFは相手の正面よりもボールを持っている腕側に立って接触する方がシュートって防げるんじゃないか?」
「外に外に追い込んだ方がシュートを打つコース無くなる?」

って自分たちで話をし出した。

ええやん。ええやん。こんな感じで、子供たちに問いかけながら進めていった。

クリニックを終了後にみんなで記念撮影。今回も日本シグマックス様が参加者全員にザムストランドリーバッグをプレゼントしてくださった。いつも本当にありがとうございます。

奈良県は僕が小学4年生から高校卒業まで過ごした土地。今でもこうして奈良県の子供たちと触れ合う機会を作って貰えて本当にありがたい。

クリニック前にあった奈良市中学生選手権に日本リーグを担当するレフリーと学生レフリーの姿があった。学生レフリーが日本リーグのレフリーからのアドバイスに耳を傾けていた。ハンドボールのルールをそれとなく子供たちに伝えながらの優しい笛。

未来への種蒔きがなされていた。