ブログ&ニュース ( 2024年11月 )

ユメセン@九久平小学校

[ ユメ先生 ]

豊田市立九久平小学校の5年1組のみんなに会ってきた。JFAの夢の教室である。体育館でのゲームの時間はアシスタントの久光さんの進行で、僕も5年1組のみんなの中に入って一緒に活動させてもらった。久光さんがルールを説明すると、こどもたちはホンマに真剣に話を聞く。どうやったらクリアできるか?バンバン、手を挙げてアイディアを出してくれる。みんなで出し合ったアイディアから作戦を決める。自分たちで考えた作戦をふざけることなく、クリアに向けてみんなで本気で協力しあう。ちょっとじゃなくて、だいぶ凄かった。

教室に移動して、まず僕が現役選手をしている時の映像を観て、ハンドボールってこんな競技だよって知ってもらう所からスタート。その後はトークの時間。小学校、中学校、高校と野球少年から少しハンドボールをやり出して、何とく日々ゆらゆらと過ごしていた10代中盤。そこから中部大学に進学して、本気モードでハンドボールに打ち込むようになった。大学の最初はユニフォーム係で、試合には全く出ることなく、チームで一番下手くそやった。そこからチームメイトと指導者に恵まれて少しずつ試合に出ることができるようになった。

大学卒業後にハンドボールを続けるなんて夢にも考えていなかった。就職活動して、一般企業でサラリーマンをする準備をしていた。4年生の夏以降に急に日本リーグへの道が開き出して、その後は気がつけば今である。まさか37歳まで現役選手を続けることができるなんて、考えてもいなかった。ドイツに行ってハンドボールするなんて1ミリも予定に無かった。人生わからんもんや。

「お前には無理や、無謀や、やめとけ」って言われる道ばかり進んできた。自分で決断して進んだ道で毎度のように壁にぶつかった。大怪我したり、解雇されたりしながら、多くの人に助けてもらって何とかもう一度ハンドボールができるようになった。

僕の話を聞いた後に今度は5年1組のみんながそれぞれの夢シートに自分の夢や目標を綴ってくれた。今はっきりとした夢や目標がある子もいれば、う〜んって悩みながら中々書けない子もいる。でも真剣に考えてくれていた。それでいいと思う。

今、ハッキリとした夢がある子は自分を信じて突き進んで欲しい。壁にぶつかった時にこそ自分を信じて欲しい。

今はまだハッキリとしたものがない子(僕はこっちだった。)も焦らなくていいし、周りと比べる必要もない。自分のペースで何か好きなことや、夢中になれることが見つかると良いなと思う。色々なことにアンテナ張って、興味を持って、自ら動いて欲しいなって思う。

実は中部大学ハンドボール部の学生(4年生)が小学校の時に夢の教室の授業を受けたそうだ。僕がユメシートに返事を書いている時に彼はそう教えてくれた。彼は今でも夢シートを大切に持っているそうだ。

凄いことだと思う。



2024 全日本インカレ@広島 ベスト16

[ 2022~ 中部大学 ]

全日本インカレを終えて広島から愛知に戻ってきた。初戦の立教大に勝利し、3年連続の対戦となった国士舘大に敗れベスト16で大会を終えた。

初戦の立教大は関東リーグに所属する好チーム。今季から大城章さんがヘッドコーチに就任し、勢いに乗るチームだ。大城さんはSONYの元監督。前職の三重バイオレットアイリスの監督として、何度も日本リーグで対戦してきた。いろんな意味(坊主対決???)で、負けられない戦いだった。

【ハンドボール】大城章、情熱の人。立教大学男子ヘッドコーチに就任

試合開始序盤は、インカレ特有の緊張感もあって前半の序盤はリードを許す場面もあり、DFで後手に回ってしまった。それでも前半30分の間にベンチ位置16人全員がコートに立ち、結果的に20-17の3点リードで折り返すことが出来た。

ハーフタイムでは、相手のキープレイヤーに対してのDFを再確認。後半はしっかり修正して、徐々にリードを広げる展開。中盤以降の相手の7人攻撃にも慌てることなく対応し後半は15-8、トータル35-25の10点差で勝利することができた。

さっそく試合会場からホテルまでのバスで直ぐに立教大戦の振り返り、翌日の国士舘大戦に向けての準備が始まった。

国士舘大戦。前半序盤から4年生の水谷を前に出した5:1DFで開始。シュート力に優れる国士舘大の攻撃陣を懸命に守る中部大DF陣。攻めても司令塔の井上のゲームメイクから再現性のある得点を重ねて14-12の2点リードで前半を終えた。熱く、冷静に、戦術的な部分への対応も、ハートも、非常にいい前半の闘い方だった。

後半は中央DFを小林、花田の大型ユニットで固めた6:0DFで開始。後半の立ち上がりも上々。ところが後半8~16分にかけて相手に4連取、1点取り返した直後に更に3連取を許してしまった。この試合、唯一この時間帯だけ1-7とエアポケットに陥ってしまった。

タイムアウトをとって体制を立て直し反撃開始。ここまでRBは2年生左腕コンビの向田、福原で凌いできたが、RBにキャプテンの中島を配置。BP3枚をスピードと展開力のある中島、井上、平野の右利き3枚に変更。東海学生秋季リーグ戦の終盤以降に、何度も準備してきた配置だ。

平野や中島のキレキレのフェイントで相手DF陣を切り裂き中央突破。2点差、3点差の攻防が続く。徐々に時間だけがが過ぎていく。それでも前向きな声を掛け合い、焦ることなく、全力を振り絞る選手たち。あと一本というところで、何度も相手に跳ね返されてタイムアップ。後半は13-19。トータル27-31の4点差での敗戦。国士舘大は強かった。

対戦相手、レフリー、応援席への挨拶を済ませて、コートを引き上げる学生たち。最後の円陣。涙に暮れる4年生。力を出し切った4年生。応援席にいた4年生も合流し、また涙。インカレが終わった。中島主将の代が終わった。

余談。

ここからが実に彼ららしいのだが、試合会場を後にする道すがら中心メンバーたちとこの後の予定について話し合っていると、一先ずこの試合をみんなで観たいとのこと。ホテルに戻って夕食を終えて、他会場に偵察に行ってくれていたメンバーも再合流。1~4年生まで全員で国士舘大戦の映像を確認し、「これはできた」「これは通用した」「ここはこうしたらよかった」といつものように自分たちの試合の振り返りが始まった。

この先、トップリーグでまだハンドボールを続ける予定の4年生もいれば、ここで競技スポーツとしてのハンドボールは一区切りの4年生もいる。もちろん3年生以下は少しのオフを挟んで新チームがスタートする。

今のこのチームでの活動はここで一区切りだけど、それぞれの人生は続く。中部大学ハンドボール部ももちろん続く。

ハンドボールが人生の全てではない。でも自分の人生の一部分なのは間違いない。だからこそ日常生活も、ハンドボールも大切するのだ。

そんな背景があるから、ごく自然に国士舘大戦の試合をいつもの様に振り返っていた。

国士舘大戦の振り返りを終えて、4年生が一人一人、この試合、この一年を振り返ってのコメントを全員に残してくれた。自分自身に言い聞かせるように言葉を紡いでくれる4年生。4年生からのラストメッセージに耳を傾ける下級生たち。チームの全員が今の、この瞬間、このメンバー、今だからこその感情を大切にしてくれた。

バトンタッチの瞬間だった。

【全日本インカレ結果】
中部大 35-25 立教大
中部大 27-31 国士舘大

4年生にとっては、主力メンバーが揃わずに彼らが思い描いていたラスト1年とは全く違うものだったと思う。春季リーグ、西日本インカレの結果も振るわずに夏を終えた。

9月中旬、秋季リーグの中盤になってやっとベストメンバーが揃いだした。主力の4年生が不在の期間に苦しみながら成長しつ続けた下級生たちと懸命のリハビリを経て、戦列復帰していた主力の4年生たちとの融合。そこからインカレまでの1ヶ月半、本当に毎日、一瞬一瞬を丁寧に過ごす彼らの姿が印象に残っている。

しかし、頑張っている、成長しているのは、彼らだけではい。どこのチームだって、どこの選手だって成長するために、勝利するために1年間頑張ってきているのだ。勝負の世界は努力が必ず報われるわけではない。ベスト16で終わった結果を受け止めて、新チームでまた頑張っていこう。

大会運営をして下さった皆さん、1シーズン中部大学ハンドボール部をご支援頂いた皆さん本当にありがとうございました。

大会自体は今日から準決勝。最後まで素晴らしいインカレになりますように‼️

追記:インカレハイライト