ブログ&ニュース ( 2025年6月 )

みどりハンドボールスクールへ ~親子2世代で~

[ パートナーハンドボールスクール講師 ]

みどりハンドボールスクールに行ってきた。愛知県名古屋市で活動する小学生チーム。今回の会場は小坂小学校。

今回、事前にお願いされていた内容は「僕の体験談」と「DFの駆け引き」。

何度も事前に打ち合わせをさせて貰った。直近の試合の映像も見せて貰って子どもたち様子やレベル感も丁寧に伝えて頂き当日を迎えた。

実施した内容はトーク&ハンドボールで2時間ちょっとのプログラム。

トークは選手時代:HONDA→ドイツ→北陸電力BT、と指導者:指導者準備期間→三重バイオレットアイリス&おりひめジャパン→中部大学の体験談。

ハンドボールはウォームアップ→シュート&GK→1on1→まとめ&写真撮影。

【中部大学ファミリー】
今回、声をかけてくれたのはみどりハンドボールスクールの野村監督。中部大学のOBで、2014年のインカレ優勝メンバー。

ちょっとだけ、むかし話。(今回はむかし話多め)

インカレ優勝後の日本選手権(当時は全日本総合選手権やったかも?)で北陸電力BTと中部大学が初戦で激突。北陸電力BTの中央を守るは僕とスーさんこと須坂さん(当時北陸電力BTのルーキー:スーさんはその後、チームの中心選手として活躍、コーチ、監督を経て、現在は中部大のコーチ)。

中部大学の後輩たちは左膝が悪い僕のところを徹底的に狙って攻めてきた。懐かしい。何とかインカレチャンピオンを退けて北陸電力BTが勝利した。

そんなインカレ優勝メンバーの野村さんが今、ジュニアの現場に立っているっていうのが、なんとも感慨深い。

今回は濱野さん(中部大学ハンドボール部4年生GK)も一緒に来てくれた。彼は将来はGKコーチを目指している。今年の2月には将来を見据えてドイツにも短期留学、コーチとしての視点を持ちながら選手をしている。

というわけで、今回は「くっしー&ハマちゃん」である。

【part1 トークセッション】
まずは20分ほど、アイスブレイクも兼ねて自分の話をさせてもらった。

HONDA時代、世界最高峰の左腕と言われたストックランの衝撃。
「同じポジションに圧倒的な選手がいたら自分はどうするだろうか?」
ちなみに当時の僕はただただ圧倒された。

そこから一念発起してハンドボールの本場のドイツへ。けど、ドイツ2年目に左膝の大怪我。選手生命を一度は失いかけた。正直、あの時はどん底だった。怪我した現実を受け入れらずに、ただ時間だけが過ぎていった。

日本に帰国する直前。ドイツの最後に撃たせて貰って外した7mtが悔しくて、「ああ、俺はもう一度ハンドボールがやりたいんや。今まで何をしていたんやろう」って現実と向き合わせてくれた。嬉しい気持ちじゃなくて、「悔しい気持ち」が次へのエネルギーになった。

「みんなはこの前の試合で勝てなくて、悔しかった?」
「この悔しさをどうやって次に繋げていく?」

日本に戻って本格的にリハビリを開始。2年間って期限を決めてもう一回コートに立ちたくて、意地になってリハビリを続けた。
北陸電力でなんとか競技復帰を果たして、また少しずつ試合に出られるようになった。

こんな感じで僕の体験談を少し話して、子どもたちが「自分だったらどう感じるか?どうするか?」を想像して貰って意見交換して貰った。

【part2 ハンドボール】
ハンドボールを「楽しむ」。大切にして欲しいことの一つ。

ウォーミングアップの中に少しずつ「DFの駆け引き」の要素を入れながら進行。OFもDFも勝ち方がそれぞれ2つずつあるルール。やりながら自分たちで自然に「駆け引き」を表現してくれた。

設定されたルールや、今の条件下で「どうやったら上手くいくだろう?」って自分たちで考える。複数のタスクを同時処置。矛盾する要素に何とか対応する。子どもたちは頭も身体もフル稼働でニコニコと頑張ってくれた。

GKはハマちゃんが丁寧に観てくれた。

最後は3ヶ所のエリアを設けての「1on1」。ここで子どもたちの反応を観ながら段階的に質問して、子どもたちの考えに耳を傾ける。

「DFの目的は?OFの目的は?」
「DFはシュートを打たせないこと?んんん〜〜〜、えっとゴールさせないことかなぁ」
とかやり取りをしていく。

「そうやなぁ。DFの目的なゴールさせないことやなぁ。じゃあ、ゴールさせない為に、GKはDFにどうやって守って欲しい?」
するとGKの子が「同じシュートなら遠くからとか、外側に追い込んだシュートなら結構取れるかも」
「おお〜、ええやん、ええやん。具体的になってきたなぁ。遠くからのシュートとか、外側に追い込んだシュートになるようにするには、仲間のDFにどうやって声かけるとそれに近づく?」

こんな調子で、一歩ずつ進めていった。

今回はあえて、最初に説明をせずに、子どもたちの反応を観ながら、質問をして、子どもたちの自分たちで考えた事をベースに一歩ずつ進めて言った。途中で「こういう視点で考えてみると良いよ」「今のヤバイって感じたんじゃない?どうしたら上手くいったと思う」って話しかけたりに留めた。

そして最後に今日の感じたことを話し合って貰って、最後に今日やったことのまとめやみんなが考えた事をホワイトボードに書いて整理した。

正直言って、この頃は「ハンドボール楽しい」って感じでくれたらそれだけでOKやと思っている。楽しいと感じることは、勝手にやる。努力は夢中に勝てない。

【平子ファミリーとの再会】
さらにさらに今回、平子ファミリーとの嬉し過ぎる再会。

平子くん、三重県出身、北陸高、日本体育大を経て大同特殊鋼phoenixで活躍した技巧派・左腕として活躍。名手、平子卓人。はい、タクト。

旧制・乾さん、奈良県出身、洛北高→大阪教育大で何度も全国制覇したレジェンド級の選手。(もし日本リーグに進んでたらって正直今でも思う人は少なく無いんじゃなかろうか。)はい、いぬっち。

この二人のとの出会いは彼らが小学生時代に遡る。僕は現役選手の頃から将来、指導者になりたいと考えていたので可能な限り準備するようにしていた。僕がHONDA時代に鈴鹿ハンドボールスクール(三重県)や真弓クラブ(奈良県)に時間を見つけては顔を出していた。そこに当時、小学生の彼らがいた。当時から二人はセンス抜群だったのは言うまでも無い。

そう言うわけで、僕の中では今でも「タクト&いぬっち」なのだ。

トークセッションの部分に少し戻ると、左膝のリハビリを経て、僕が北陸電力BTでプレーしている晩年。平子少年が日本体育大を卒業して、大同特殊鋼phoenixにスーパールーキーとして入団してきた。なんと今度は選手として対戦することになったのだ。

お互いのポジション的に直接マッチアップすることはなかったけど、入団直後から的確に飄々とプレーする姿を観ていて、すげ〜なぁと関心していた。タクトがどう感じているかは分からないけど、こっちは勝手に感慨深いものがあったので、当時のことはよく覚えている。

なんと、なんと、今回みどりハンドボールスクールに何と平子夫妻の長男くんが参加してくれていた。

「将来の指導者になるための準備」として始めたあの時間が、20年以上経ってこんな形になって返ってくるなんて、最高過ぎる。親子2世代に渡って一緒にハンドボールができる奇跡。出会い、縁、ハンドボールに感謝。

みどりハンドボールスクールの皆さん素晴らしい機会を頂きありがとうございました。日曜日の夜遅くに、ご家族が見守る中で子どもたちは大好きなハンドボールができて幸せやなぁと感じました。

僕のこうした活動を長年サポートしてくださっているトランジスタの皆さん、今回も本当にありがとうございました。

実は今回、みどりハンドボールスクールと僕を繋げてくれたのはいぬっちだった。いぬっち、ありがとうね〜。



ユメセン@飯野小学校

[ ユメ先生講師 ]

2025年6月13日。愛知県豊田市立飯野小学校で、夢先生として登壇させて頂いた。今年度、初の夢先生。

対象は5年1組と2組。どちらのクラスも、最初から元気ハツラツ。目が合えばニコッと返してくれるし、リアクションも大きい。直前の打ち合わせで担任の先生から「世界へピース」「天まで届け」と言う学級目標も教えてもらった。

前半はゲームの時間
全力で動くって、やっぱり最高。夢先生のプログラムは、まずゲームから始まる。みんなで協力して、考えて、動いて、ぶつかって、笑って。全力で遊ぶ時間。

勝ったら嬉しいし、負けたら悔しい。何より大事なのは、「全力でやる」「協力すること」こと。子どもたちは、思い切り身体を動かしながら、自然と仲間と協力し、声をかけ合い、チャレンジしていた。


後半はトークの時間
教室に戻って、今度はトークの時間。伝えたかったのは、「本気」で挑戦することの大切さ。自分の人生を「本気」で生きているかは実は自分が一番分かっているんじゃないかと思う。

適当に過ごしていた中学生、高校生の頃の話。中部大学に進学して「本気」でハンドボールやり始めた矢先のユニフォーム係の話。ホンダ時代のストックランの衝撃。ドイツでの左膝脱臼。リハビリからの競技復帰。成功よりも失敗や挫折のほうが多かった。あと先考えず、ずっこけてばっかりやった。

うまくいく保証なんてどこにもない。でも、自分でやると決めて「本気」で挑戦することが大切やと思う。


アシスタントの泊さん
今回のアシスタントはトマちゃんこと泊志穂さん。元サッカー選手。一緒に活動するのは初めてだったけど、ゲームの時間の進行などサポートして下さった。

そして驚いたのが、おりひめJAPAN時代に一緒にハンドボールをした田邊さんと、なんと大学の同級生だった。授業の合間にトマちゃんが「くっしーさん、ベーちゃんって知ってますか?」って。懐かしくて思わず笑った。

スポーツって、こういう不思議な縁を何度もつないでくれる。

最後に
「夢」ってポンって出てくる子もいれば、うーんって唸りながら夢シートを書いている子もいた。それで良いと思う。

実際に僕は中学生、高校生の頃に「夢」なんて特に何も無かった。ハンドボール選手になりたいくてハンドボールを始めたわけではない。中学の体育の授業でハンドボールが体験できて、高校時代に何とく始めたハンドボールだった。ゆるゆるやった。当時、職業につながるとは1ミリも思って無かった。

飯野小学校のみんながこれからどんな道を歩むのか、楽しみやね。「夢」や「目標」に向けて「本気」で挑戦していると壁にぶつかったり、苦しい時が必ずくる。そんな時こそ、成長するチャンス。自分を信じて一歩ずつ進んでいって欲しい。

飯野小学校の5年1組、2組のみんなの「夢」を応援しています。



ハンドボール講習会@新潟 ~仲井友崇という男~

[ パートナーハンドボールスクール ]

ハンドボール講習会@新潟
6月上旬、新潟に行ってきた。ハンドボール講習会。午前と午後の2部構成。テーマは「ポストとの2on2」。主催は新潟県ハンドボール協会。集まったのは高校生、大学生、社会人、男女合わせて約150人。午前は高校生男女を中心に100名を超える大人数だったけど、指導者の皆さん、大学生の皆さんがサポート役に回ってくれて本当に助かった。

キッカケは仲井友崇という男
今回の講習会、きっかけをくれたのは仲井友崇。ドイツ時代の戦友。彼のことを説明しておくと、大同大学の一期生。卒業後に単身ドイツに渡り、あのTHWキール相手に公式戦で得点を決めた超テクニシャン。どのポジションも器用にこなすけど、本職の左サイドでのシュートテクニックは一級品。そんな仲井さんは新潟国体を機に新潟に移住。僕が北陸電力BT在籍時は国体の北信越予選で何度か対戦した。そして43歳の今も現役プレーヤーをしながら、地元の高校、大学をガンガン巻き込んで競技力向上に取り組んでる。今回も「櫛田さん、新潟で2on2メインで講習会やって欲しいっす」って感じで連絡をくれた。

テーマはポストとの2on2
そんな訳で今回のメインテーマはポストとの2on2。特に2人のDFの間にPVを配置した2on2と2人のDFの外側にPVを配置した2on2を丁寧に整理しながら進めていった。6on6でフォーメーションプレーをするのではなく、PVを絡めた2on2から再現性のある攻撃を展開する。うまくいかない時に何を見て、何を変えるか――その感覚を掴んでほしかった。

参加者の皆さんはめちゃくちゃ前向き。吸収しようとする姿勢が全身から出てて、見てて気持ちよかった。10年以上前に柏崎工業で講習会を開始した時にお世話になった越前先生、その時に高校だった少年が33歳の青年になって嬉しい再会もあった。

最後に
今回の講習会に関わってくれた新潟県ハンドボール協会のみなさん、準備も運営もありがとうございました。そして集まってくれたすべての選手、そして指導者の皆さん、本当にありがとうございました。僕のこうした活動を10年以上もサポートしてくださっているトランジスタ様、今回もありがとうございました。

そして何よりも、仲井さんの「少しでも新潟のハンドボール界のために、新潟の子供たち、指導者のために」って想いが今回の出発点。僕にとっては彼の存在そのものが、常に刺激になっている。選手としても指導者としても、まだまだ走り続けて欲しい。家族みんなでハンドボール中心の生活を心から楽しんでいてホンマに最高やった。