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「職業講座講師」@鯖江中学校

[ さばスポハンドボールスクール講師 ]

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昨年に続いて福井県内の鯖江中学で職業講座の講師をさせて頂いてきました。

僕はスポーツ選手として。僕の他には保育士、看護師、歌手、番組プロデューサー、お菓子屋さん、自動車修理屋さん、眼鏡メーカー、美容師、警察官、消防士、プログラーマーの皆さんが講師にきていました。

合計で12職種だったかな。

警察官がいると、なんでか緊張しますね。別に悪い事してないのに…

中学1年生が自分の興味のある講師の話を2つ選択して聞いて周るという感じだと思います。

こんな感じで1コマ35分×2回で進めていきました。

①自己紹介(これまで移ってきたチーム、今の一日のスケジュール、一週間のスケジュールの紹介など)

ハンドボールの映像を紹介(自分のプレーを編集したDVDを見てもらいました。嘘みたいな話ですが、背番号20番の茶髪&パーマ頭が僕です。今とのギャップにみんな釘付け…)

③僕の中学、高校、大学、ホンダ、ドイツでの話
いよいよ、ここから本格的な話のスタートです。まず最初に、僕は生徒にこんな話をしました。

「ここにいるみんなは運動部に入っている子が多いって聞いています。本気でスポーツで飯を食っていこうと考えている子、もう既に明確な目標をもっている子はいるかな?」

一人の子がピンと手を挙げて「福井国体に出て活躍したい。」

「おお、凄いな。僕も福井国体目指しているよ。一緒に頑張ろうな。」

「じゃあ、多くのみんなは運動部ではあるけど、スポーツで飯を食っていくとか、オリンピックに出たいとか、そこまでは考えていないってことやんね。実は僕もそんな子供でした。」

「これからする話は、スポーツで飯を食っていこうと思う子にも聞いてもらいたいし、運動部にいるけどそんな事までは考えていないみんなにも聞いてもらいたい話です。」

こう伝えてからスタートしました。

まず、生徒と同じ中学生の頃の僕の話。この頃は野球部だったことにみんな驚いていました。

高校でハンド部に入ったけど、別にハンドボール選手を目指してやっていた訳じゃなく、授業が終われば部室でジャンプやマガジンを読んで、カラオケやボーリングに行く、試合前に少し練習をする。そんな感じだったと話しました。

どこにでもいるごく普通の、中学生活、高校生活で、赤点もとったし、雨降って部活なくなれって思っていた、そんなほんまに普通の子供だったと…

高校でハンド部を引退して、「ああ、このまま何でも適当にやっていていいのかな?」その事に気づけて、大学から本気で何かに打ち込んでみようと決めて、その対象がたまたまハンドボールだったことを話しました。

大学1年生時はユニフォームを畳んだりと下積みばかりでレギュラーになれたのは4年生の時。大学4年の時には普通に就職活動もしていた事もそのまま話しました。

運良く、当時日本リーグ王者だったホンダに入れたら、世界的な名手のストックラン(元フランス代表)とポジションが重なって「ありえない話だけど、一日24時間以上練習しても勝てない」と圧倒的なレベルの差を感じた事。

でも毎日が世界一の選手とのポジション争い=世界一の経験ができるんだという気持ちを奮い立たせて練習に取り組んでいた。その経験が今に活きている。

ストックランを見ていて、自分もプロ&欧州でやってみたいと気持ちがシフトしていった事。それは28歳の時だった事。世界一(ストックラン)に触れた経験を子供達に話しました。

「だけど欧州に、そしてプロにどうやってなるのか?分からなかった。代理人が誰なのか?どこにいるのかも分からない。そんな状況だった。その時に僕がとった行動は実は、今のみんなでも本気になればできる行動だったんだよ。」

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「最初にみんなに観てもらったハンドボールのDVDは、僕が自分で編集したDVDやねん。このDVDを知り合いや知り合いの知り合いをたどって欧州のチームやハンドボール関係者に送って見てもらった。言葉は分からないけど、映像ならわかるやろうと思ったからね。」

「欧州のチームのHPを検索して、英語の辞書を片手にどこに連絡すればいいのか?チームはどこにあるのか?とかを探したり、Eメールを送ったりした。そして、連絡をくれたチームの練習に参加させてもらった。」

「2週間くらいエストニア、スウェーデン、ドイツへハンドボールの旅に出た。夜行列車でスウェーデンからデンマークを抜けて、ドイツにいって練習参加したり、時には駅のベンチで始発まで寝たりしてね。」

「僕の英語はThis is a pen.くらいの赤点レベル。でもそうやって色んな人に協力してもらって何とかチームを探して、練習に参加させてもらって、契約交渉して、欧州でプロとしてのスタート地点に立った。(本当はもっと色々とあったけど…)」

「契約の話とかは難しいとしても、DVDを作ったりインターネット&メールをするこれは本気になればみんなでも出来るよね。」

「生きるを伝える(テレビ東京系)」を見てもらう
ドイツで1年目に運良く優勝できて、2シーズン目の左膝の脱臼、そこから今に至るまでの映像を見てもらいました。

⑤怪我をしてから&今の話
怪我をしたときの話や、そこからは常に引退が頭にあること、リハビリしたときの話、もう一度チームを探すときの話、今の気持ちを話しました。

⑥まとめ&振り返り
日本一のチーム(ホンダ)でやれた経験、ドイツでプロでやれた経験、怪我と向き合った経験、今仕事をしながらコーチ兼任選手をしている話などのハンドボールの話が印象にのこっているかもしれない。

だけど僕もスタートはみんなと同じ、何処にでもいる普通の部活をしている子供だった。

「人はごまかせたりできても、自分に嘘はつけない」「自分の人生には自分が一番本気になろう」そういうことの方が覚えていて欲しい事。

「そのことさえ大切にしていればスポーツ選手にもなれるし、どんな仕事でもできるし、仕事をしながらスポーツも続ける事が出来ると思う。」

「だから今、みんながやっている英語の勉強も、日本&鯖江の歴史を知っておくことや、仲間と協力すること、部活を頑張ること、それらに悩むこと、全部意味があることやし、大切な事なんやで。」

そんな事を真剣に話してきました。

⑦生徒からの質問
みんなここぞとばかりに質問してくれました。

「休みの日は何をしていますか?」
→料理、読書、旅行、あと子供達のコーチなど

「一日何時間くらい練習しているますか?」
→チーム全体の練習は2時間〜2時間半くらい、けどそのあとに自主練習や筋トレ、体をケアしている時間、ハンドボールに費やす時間って考えると一日6、7時間。

「ハンドボールの事、それ以外でも普段から大切にしていること、意識していることはありますか?」
→一日一日、一回一回を全力で精一杯やること、あと誠実に生きること。

→あとこれはみんなにはちょっと難しいかもしれないけど、自分のプレーはもちろん、行動、取り組み、発言など全てが未来のスポーツ界、ハンドボール界、日本、子供達にちょっとでもプラスになって欲しいって思っているのかもしれない。

→だから、今日ここでみんなの前で講師をさせてもらう事も、少しでもみんなに何かの気づきやプラスになればと思って話を考えてきたし、今もそう思って話をしている。それこそもしかしたら10年後、20年後にみんなの中から、未来の子供達講師をする人がでるかもしれないと思って話をしています。

こんな感じで真っすぐな質問に直球で答えました。

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昨年に引き続き、2回目の職業講座講師でしたが、こっちの方が良い経験させてもらっていますね。子供達の真剣な眼差しは凄いパワーでした。

講師控え室、雪が振り出したので早めに出発したら、一番乗りでした…