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ユメセン @伊深小学校

[ ユメ先生講師 ]

11月14日、岐阜県美濃加茂市の伊深小学校に「夢先生」として登壇。子どもたちの元気な声に圧倒される。体育館でまずはみんなと体を動かすゲーム。笑い声が飛び交って、こっちも自然に笑顔になった。

ゲームのあと教室に移動して夢トーク。

僕はどこにでもいるゆるゆるの面倒くさがりの高校生だった。中部大学に進学後に本気でハンドボールに没頭するようになり、自分の人生が大きくシフトし出した。

ホンダでのストックランはいつも圧倒的でプレーオフではいつも応援スタンドで太鼓を叩いてた。

安定を捨ててドイツに渡って2年目に左膝を脱臼してピルナをクビになった。

貯金を切り崩しながら約2年間意地になってリハビリを続けた。

いつも周囲からは「アホか、ムリや、やめておいた方が無難だ」と言われた。

それでも何とか北陸電力BTに拾ってもらった。37歳まで現役選手を続けることができた。

自分がハンドボールをやってきて学んだこと、努力して挑戦することの面白さをできるだけわかりやすく話した。

そして夢シートの記入&発表タイム。

サッカー選手、野球選手、学校の先生…いろんな夢を口にしてくれた。小さな夢でも、まず口に出して周りと共有することが大事なんだなって改めて思った。

子どもたちが夢シートに自分の夢を書き込む際になかなか筆が進まない子もいた。将来の夢の部分は空欄。でも真剣に考えている様子が伝わってきた。その子は仲間の発表を見て最後に勇気を出して手を挙げてくれた。

自分の席で立ち上がり、「僕の将来の夢は…」と止まってしまった。

「今、好きなことや興味のあることから話してくれてもいいよ」と声をかけた。少し言葉に詰まりながらも、今得意なことや興味があることを話してくれた。

ここまででも勇気を出してよく頑張ったなぁ。この後どうしようかなぁと考えながら暫くその子の様子を見守っていた。

そうすると涙を浮かべ声を震わせながら「今は夢がないけど、自分が夢中になれる何かを見つけたいです。」とはっきり語ってくれた。

クラスメイトも涙目になりながら、その発表に真剣に耳を傾けていた。

何とも心温まる瞬間だった。

今回のアシスタントはトマちゃんこと泊さん。今回もありがとうございました。



ユメセン @八百津町 ~午前は錦津小&久田見小、午後は和知小~

[ ユメ先生 ]

10/24はJFAの「夢先生」として岐阜県八百津町へ。
この町は第二次世界大戦中に“命のビザ”で多くの人を救った外交官・杉原千畝の生まれた地。


午前は錦津小と久田見小の合同クラス。
最初は体育館で、子どもたちと一緒に体を動かすゲームの時間。
走って、笑って、転んで、また笑う。
子どもたちの無邪気なエネルギーに引っ張られて、気づけば僕も全力になっていた。

午後は和知小へ。
体を動かしたあとは教室に移動して「夢トーク」の時間。
ドイツでの挑戦や、ケガでボールを投げられなくなった日、
そこからもう一度立ち上がった話をした。

最後は夢シートの記入と発表。
子どもたちは真剣にペンを動かし、迷いながらも言葉を探していた。
書き終えたあと「発表したい人?」と声をかけると、一人また一人と手があがる。


勇気を出して自分の夢をまっすぐな声で話す子どもたち。


「お花屋さんになりたい」
「サッカー選手になりたい」
「人を助ける仕事がしたい」

「Youtuberになりたい」

みんな勇気を出して発表してくれた。まだ夢中になれる夢が見つからずに、夢シートが空欄の子もいた。発表を躊躇う子もいた。全て等身大。ありのままで良いと思う。

ディレクターの石川さん、アシスタントの河村さん。
お二人のあたたかいサポートで終始やさしい時間になった。



金沢インカレは初戦敗退

[ 2022~ 中部大学 ]


中部大学ハンドボール部の金沢インカレが終わった。あっという間に終わってしまった。

中部大学 33(17-23, 16-16)39 筑波大学

2年前の準決勝で負けた筑波大との再戦。あの時の悔しさを胸に、全国の舞台金沢で迎えた初戦だった。

8月の西日本インカレで大阪体育大に1点差で敗れてから、この大会で勝ち上がるためにずっと準備をしてきた。秋季リーグでは「失点を抑えるDF」をテーマに掲げ、8勝1敗で優勝。今大会もDFを軸に、みんなでやるべきことを話し合い、積み上げてきた。

試合の入りは悪くなかった。OFではリズムよく得点をあげることができていた。しかしDFが崩れた。前半だけで23失点。相手のロング、サイド、ブレイクスルーと的を絞れないままに失点を重ねた。12連続で失点する時間帯もあった。前半を終えて6点ビハインド。苦しい展開。

ハーフタイムでは「失点を抑えること」「自分たちが徹底すべきこと」をもう一度確認して後半へ。途中から6:0DFから5:1DFに変更して、前に出てボールを奪いにいく守りに切り替えた。何度か点差を詰める時間帯もあったけど、あと一本というところで退場者を出したり、シュートを決めきれなかったり…。流れをつかみきれないまま、時間だけが過ぎていった。

結果は33-39。トーナメント、一発勝負の怖さを改めて思い知った。

試合後、涙にくれる学生たち。

今の4年生は、僕が三重バイオレットアイリスから中部大に来た時に1年生だった。同じタイミングでこのチームに入った世代。決してタレント揃いじゃなかったけど、1年の頃からコツコツと努力を積み重ねて、今のチームを作ってきた。

主力として常にコートに立っていたのはキャプテンの平野ただ一人。ほかの4年生は試合の流れ次第でベンチから出てきて、自分の得意なプレーで勝負する職人タイプが多い。派手さはないけど、チームの屋台骨みたいな存在。チームを回して、支えてきたのは間違いなく4年生だった。

苦しいこともたくさんあったけど、彼らはそのたびに乗り越えてここまで来た。最後のインカレ、彼らと一緒にもっと上まで行きたかった。「俺たちだってやれる」って、彼らにもっと感じてもらいたかった。一発勝負、トーナメントの怖さと自分の無力さををこれでもかと痛感している。

もっと長くいるはずだった金沢を後にして愛知まで戻ってきた。日常生活に戻らなければならないが、その日常生活が非日常のように感じる。でも切り替えねば。

金沢インカレ、中部大学ハンドボール部に携わってくださった皆さん本当にありがとうございました。インカレは今日から2回戦。まだまだこれからが本番。勝ち残っているチームの皆さんが全力を出しきれますように。

4年生のみんな本当にありがとう。



2025東海学生秋季リーグ戦 ~無敗で優勝~

[ 2022~ 中部大学 ]


【秋季リーグ戦 無敗で優勝】
東海学生秋季リーグ戦を終えた。期間は8/31~10/4の6週間で9試合。9戦8勝1分0敗(勝点17)で優勝することができた。合計24名の選手が出場しチームとしては得点:391 失点:207 得失差:+184 という内容だった。

何はともあれ、やっとこさハール(作取部長)を胴上げできた。最高や。感無量や。

西日本インカレ後からのチームの動きと秋季リーグの第1~9戦まで試合のポイントを振り返ってみる。

【西日本インカレ後のチームの動き】
西日本インカレでは準々決勝で大阪体育大に1点差で敗れベスト8を終えた。選手たちは福岡で解散し帰省してOFF。8/25からチーム活動再開。

国民スポーツ大会(以下、国スポ)ブロック予選参加、リーグHチームへの練習参加、就職活動及びインターン参加していた学生の合計10名は集合日から遅れてチーム活動に合流。

秋季リーグに向けての準備期間は決して長くなかった。チーム全体のバランスと遅れて合流した10名のコンディションを考えながら開幕戦のメンバーを決めることにした。

またU19日本代表と国スポの活動で長期間チームを離れていた村田がOFF明けから再合流。エジプトから帰国後に電話で個人面談。久しぶりにゆっくりと話をして村田が考えていることを聴かせて貰った。エジプトで感じた世界との距離感をチームに還元して欲しい。

西日本インカレ組の再強化。西日本インカレメンバーから落選した濱野、斎藤らの奮起。怪我による長期離脱からの復帰直前の池田・平田。そして世界を経験した村田の再合流。


インカレを見据えて主力と新戦力の融合が秋季リーグの最大のテーマ。そのテーマをチーム全体で共有しながらチームとしても個人としても勝利と成長のためにベストを尽くして優勝する。


上記のチームの目標を達成し、テーマにしている内容を遂行するための強化策。条件的には8/25~9/18までは夏期休暇中。この4週間弱は徹底強化期間。基本的に午前&午後の2セッション。ウェイトやフィールドトレーニングとハンドボール練習を組み合わせて強化を図った。火、木は2コート連動させて60名弱いる部員が基本的に全稼働する環境を可能な限り整えた。

9/19~は秋学期開始。朝、授業前に希望者でのバイキング形式の個人練習。授業終了後にチーム練習。夏休み期間の1日に2回の練習機会から基本的に1日1回の練習機会になり。運動強度は保ちながら、運動量は少し落ちる(落とす)。9/27に中京大、9/28に名城大との連戦。翌週10/4に大同大との最終戦。この期間にピークが来るように期分けした。


第1戦(8/31 vs 名古屋大学) ○50-23(22-10・28-13)
開幕戦でACL損傷で長期離脱していた池田が長いリハビリ期間を乗り越えて復帰。
西日本インカレ落選の悔しさを力に変えたGK濱野太一が痺れるプレーを見せた。
公式戦初出場2名も含めベンチ入り16名全員が出場、CP全員得点。1年生の深尾、大城ら新戦力も躍動。
短い準備期間ながら全員で流れを作れた試合。失点は目標より少し多いが、まずは勝って兜の緒を締める形。


第2戦(9/6 vs 愛知教育大学) ○37-22(16-11・21-11)
春季リーグで終盤逆転しギリギリ1点差で勝利した相手に15点差で快勝。
まだ改善の余地はあるものの、DFの要でもある斎藤がこの試合から合流。
8月上旬から準備をしていた斎藤&池田とのユニットが本格始動。



第3戦(9/7 vs 朝日大学) ○45-19(22-9・23-10)
春季リーグで5点差だった相手に26点差で勝利。
前日に課題のでOFでのシュート精度やDFでのボールに密集して準備をする部分も少し改善された。
新戦力と主力が噛み合い、チーム全体で勢いをつかんだ。


第4戦(9/13 vs 岐阜聖徳学園大学) ○45-26(21-13・24-13)
春季で引き分けだった相手に19点差で勝利。
GK濱野の痺れるセーブ、池田・斎藤のDFユニットが守備の軸として機能。
失点はまだ少し多いが、開幕4連勝で序盤戦の勢いは十分。チームの成熟を感じられた試合。


第5戦(9/14 vs 愛知産業大学) ○49-16(24-5・25-11)
前半からDF・GK陣がハードワーク。
ベンチ入り16名全員が出場し、それぞれの役割を全う。
長期離脱していたRW平田海里が8か月ぶりに復帰し、チームに大きな一歩。
全員で勝ち取った快勝。

実は海里と西日本インカレ後にキャプテンの平野らも交えてゆっくりと話をした。現状の海里の立ち位置、コンディション、その上で何が必要か。海里個人がやっていく事を綿密に擦り合わせることができた。ここから復帰までの3週間は全体練習と並行してフィジカルトレーニング、シュートトレーニングを繰り返した。そのプロセスを経て、万全の準備をして復帰戦を迎えた。その上での一発回答だった。


第6戦(9/21 vs 愛知大学) ○59-13(30-4・29-9)
第4~6戦で合計60失点以内をテーマに設定。
愛知大戦の目標は18失点以下だったが、前半序盤からGK三浦が鬼神の如くスーパーセーブを連発し前半4失点に抑えた。
後半も緩めることなくハードなDFからFBを継続。59-13で勝利し、開幕6戦全勝。
次週からはいよいよ全勝対決。


第7戦(9/27 vs 中京大学) ○35-29(16-15・19-14)
互いに6戦全勝で迎えた大一番。
春季で13点差で負けた相手に6点差で勝利。
昨年春季リーグから3戦連続完敗していた中京大に久しぶりの白星。
DF・GK陣が要所で踏ん張り、OFでは主力と新戦力が連動。
春季リーグの悔しさを晴らす価値ある勝利。

この日は須坂コーチが仕事の関係でベンチ入り出来なかったが、副キャプテンの北澤がベンチ入りして、出場選手のサポート役をしっかりとやり切ってくれた。


第8戦(9/28 vs 名城大学) △32-32(16-13・16-16)
7戦全勝同士の一騎打ち、正しく天王山。
序盤から僅差でリードを保ちながら進めたが、最後に名城大の粘りで追いつかれ、ドロー。

サヨナラゴールを決められた直後はコートに崩れ落ちる選手もいた。結果的にではあるが、この試合に勝利していればこの時点で優勝が決まっていた。数字上には見えない勝負所でのシュートミスやこの一本守ればという場面での失点など、まだまだ伸び代を感じる。これで8戦7勝1分。

名城戦の痛恨のドローの後にキャプテンの平野と試合を振り返ってゆっくりと話をした。平野がコートの中で感じたことを聴かせてもらい、僕がベンチから見ていて感じたことを伝えた。その上で最終戦に向けて「どんな準備をしていくのか?」を確認した。


第9戦(10/4 vs 大同大学) ○39-27(18-11・21-16)
試合前ミーティングで「自分たちのやってきた事、普段の力をを出せば必ず勝てる」と口にする学生たち。

彼らがこの秋季リーグで大切にしてきた事、やってきた事は「ベストを尽くす」という事。その為に「一本目」「一つ先」「一瞬」を大切にしようと全員で確認。その一つ一つの積み重ねがチームの「一体感」を作り出すじゃないかと思う。

1つのボールを必死に守り、着実に得点を重ねた。
チーム一丸で掴んだ12点差の勝利。秋季リーグは9戦8勝1分で終了。
僕らの試合の後に名城大vs中京大の試合が残っていたので、この時点では優勝は確定していない。(が得失点差の関係で、事実上ほぼ優勝は間違いない。)状態で、最終戦を終えた。


【個人表彰 ~最優秀選手は平野、ベスト7にハリス、三浦、福原~】
左からLBハリス、CB平野、GK三浦、RB福原

ハリスは1年生ながら抜群の跳躍力を活かしたロングシュートで得点を量産。平野は司令塔としてもキャプテンとしてもチームのよくリードしてくれた。三浦はGK陣の軸として安定感と爆発力を兼ねそなえる活躍だった。福原は春季リーグは1試合も出場できずに悔しい思いをした。その男が今大会も奮起、西日本インカレ同様に好調を維持してくれた。

【ハンドボールに集中するために】
思い起こせば、春季リーグは9戦6勝1分2敗でギリギリ3位だった。試合内容的には4勝5敗でもおかしくなかった。チーム状況もハンドボール以前の問題が多かった。恥ずかしい話が「時間を守ろう」「寝坊しないように」「体調不良に気をつけて」とか試合の前日、当日でもそんな状態だった。

そんなチーム状況の中でも、去年の教訓を活かして西日本インカレシード権獲得のために「春季リーグ3位以上は死守」が最低条件だった。土俵際でギリギリ踏ん張って最終戦でなんとか3位を死守できた。

ハンドボールに集中しようとしても、ハンドボール以外のことでノイズが入る。

西日本インカレに向けて、ハンドボールに集中するために、ハンドボール以外の部分と向き合い、整える。当たり前の事を当たり前にできるように、その当たり前のレベルを上げる。先ずはそこからだった。

臭いものに蓋をして現状で何とかやる。清濁合わせ飲んで何とかやる。というのも時には必要かもしれない。でもそれだと根本的な部分は解決していない。問題や課題がないチームや人なんていない。何かが起きたら、その事と向き合って解決する。解決しようとする。見て見ぬ振りをしない。最後までやり切る。やり抜く。それが大切。

その事に学生たちが気づいて、少しずつ当たり前のレベルが上がってきた。これが西日本インカレ前。春季リーグ戦で悔しい思いをしてきた人、壁にぶつかってきた人はこの頃に悪戦苦闘しながらもがいていた。しかし逃げずに立ち向かっていた。

西日本インカレ直前も本当に色々とあったけど、違和感や異変に気がつくようになった。春季リーグとは違って学生たちが何か起きると一度立ち止まって、解決しようとするようになった。

西日本インカレは結果的に大阪体育大に一歩及ばずベスト8に終わったが、チームとしては少しずつ闘える手応えを感じている様子だった。

そして迎えた今回の秋季リーグ。チームとしても個人としても「ベストを尽くそう」を合言葉に自分たちの成長に目を向けて歩みを続けた。ベストを尽くせていないと感じた時は「これってベストを尽くせているか?」「どうすると良かった?」と何度も問い掛けた。

ハンドボール以外の事に意識を向けて、アンテナを張ることで少しずつハンドボールに集中できるようになってきた。その結果が今回の8勝1敗での優勝だと思う。

彼らの最終目標は「インカレ優勝」「日本選手権でのリーグH勢撃破」である。何を言っているんだと笑う人がいるかもしれない。彼らが立てた目標に向かってこれからも「ベストを尽くそう」。まだまだ道半ば。

秋季リーグ戦中、中部大学ハンドボール部に関わって下さった全ての皆さん、本当にありがとうございました。安全なリーグ運営をして下さった東海学生ハンドボール連盟の皆様、本当にありがとうございました。

最後に学生の成長ために常に当たり前のようにベストを尽くしてくれるスタッフの皆さん。選手のために何かできないかと?とアンテナを張って頑張ってくれるマネージャーの皆さん。毎試合のダイジェスト動画を配信すると決めてやり切ってくれた広報チームの皆んな。日々ハンドボール、自分、チームと向き合い続けてくれる選手のみんな。本当にありがとう。

今度はインカレに向けて、またみんなで頑張っていこう。


最終戦終了時点では、優勝が確定しておらずに閉会式が終わってから時間差で胴上げして貰ったのだ。ありがたや。



第2回 ドイツハンドボールチャレンジツアー ~トライアウト~

[ ドイツハンドボールチャレンジツアーパートナーハンドボールスクール講師 ]

第2回ドイツハンドボールチャレンジツアーのトライアウトが無事に終了した。

【サバイバルゲーム】
今回の対象は中学生男子。まだまだ身体も心も成長の途中にある世代だが、彼らの目は本気だった。ハンドボールを通して世界に挑みたい、その想いが全身から伝わってきた。このトライアウトは、学校の部活でも、地域のクラブでもない。そこに所属している中学生が、自ら手を挙げて飛び込んでくる場所。自分で「行きたい」と思った子だけがここに立っている。だからこそ一人ひとりの覚悟が違う。主催者の牟田さんがしきりに口にしていた「これは生き残りをかけたサバイバルゲームなんだ」という言葉が、まさにその場の空気を象徴していた。普段の実績や肩書きは通用しない。ただ純粋に、ハンドボールと自分自身が篩(ふるい)にかけられる場なのだ。

【有馬選手の存在】
このチャレンジツアーからは、すでに大きな一歩を踏み出そうとしている選手がいる。第1回に参加した有馬が、ブンデスリーガの名門グンマーズバッハと契約し、現在渡航の準部を進めている。夢を夢で終わらせず、現実に変えた先輩がいる。その背中を見ているからこそ、今回集まった選手たちも「自分だって行けるかもしれない」と思えたはずだ。目の前にリアルなロールモデルが存在することの大きさを改めて実感する。

【1日目】
1日目はオリエンテーション&アイスブレイクから始まった。最初は緊張で顔もこわばっていたが、ゲームややり取りを重ねるうちに、少しずつ笑顔が見え始めた。伸びやかな雰囲気のまま、GKとシュートトレーニングへ。そこからはポストとの2on2、さらに3on3へと発展。場面はシンプルだが、だからこそ判断力や駆け引きが試される。思い切りよく飛び込んだプレーもあれば、迷いが出て止まってしまうシーンもあった。中学生の今だからこそ、失敗も含めて全部が学びになる。

【2日目】
2日目は初日の振り返りからスタート。前日練習の映像を見ながら、自分のプレーを言葉してもらい、こちらかのfeedbackを行う。頭を整理した上で2日目のボールセッション開始。身体接触の要素を入れたウォーミングアップ、そこからDFのコンタクトスキルへ。体をぶつけ、押し合い、倒されてもまた立ち上がる。最後はゲーム形式。高校生(関大北陽/仮想ドイツ人)を相手に自分たちより形態的に大きな相手にハードなコンタクトを繰り返した。


【吉田耕平】
ホンダ熊本時代の元チームメイト吉田耕平。今回はGKコーチとしてGK陣の指導にあたってくれた。事前に練習メニューや担当部分の擦り合わせ。アドリブ満載。笑顔いっぱい。20年程前に僕らはほぼ同時期に日本を飛び出した。安定を捨てて、エストニアとドイツへ行った。吉田が先にエストニアに行って、道を切り開いてくれた。そしてまた同じ時期に日本リーグに復帰した。吉田は大崎オーソル。僕は北陸電力BT。それぞれ引退して指導者としてハンドボールを続けている。その吉田と日本の未来に繋がる仕事を一緒にできて最高だった。

【結果に関わらず誰でも何処でも成長できる】
普段の自分がいる場所と違い環境で戸惑った部分もあったと思う。「非日常の中で、どれだけ日常の力を発揮できるか?」「勝負が掛かった時に普段以上の力が出るか?」悔しい思いをした選手も多いだろう。でも、それでいい。少し大袈裟かもしれないが、自らの意志で人生を賭けて勝負する。競争する。その結果、夢への挑戦権を獲得できる人もいれば、掴みきれない人もいる。自分が飛び込もうとしている世界をそう言う場所なのだ。

トライアウトの結果が如何であれ、この2日間で感じたこと、経験したことを糧にして「成長」することは誰にでもできる。地球のどこでもできる。今回参加してくれた17名の中学生のこれからを応援しています。


【主催者の牟田さん】
左からハンドボールカメラマンの山崎さん、GKコーチの吉田さん、櫛田、主催者の牟田さん、牟田さんの想いに共感した専門性の高いスタッフと一緒に仕事ができるのはとてもやりがいを感じる。

牟田さん、今回も素晴らしい機会とご縁を頂きありがとうございました。

トライアウト day1

トライアウト day2



2025 西日本インカレはベスト8 ~3年連続の大体大戦~

[ 2022~ 中部大学 ]

西日本インカレ、4日間の戦いが終わった。中部大は3戦全勝で予選ラウンドB組を一位通過。決勝トーナメントに駒を進めた。準々決勝で大体大に1点差で敗れベスト8で大会を終えた。

準々決勝で中部大を破った大体大は、その後ベスト4で関西学院大と対戦。接戦の末に敗れ、決勝進出はならなかった。
大会を制したのは関西学院大。決勝で中京大を破り見事に西日本の頂点に立った。関西学院大の皆さんおめでとうございます。


そこに至るまでの過程とチームの成長は大きなものだった。ここに振り返りを残しておきたい。

【予選リーグB組】
■ 8月12日 vs 松山大(○35-23)
初戦はやや硬さも見えたが、1年生コンビ平井&ハリスの活躍。キャプテン平野のゲームコントロール、一試合を通して主導権を完全に握って快勝。やや失点が多いが初戦をしっかりと勝ち切ることができた。

■ 8月13日 vs 九州共立大(○27-17)
この試合はキャプテン平野がコンディション不良で欠場。キャプテン不在の中、副キャプテン北澤を中心に守備からリズムを作り、1年生コンビのハリスと平井が攻撃の主役に躍り出た。苦しい時間帯を全員で支え合い、後半は立ち上がりで一気に突き放して勝利。前日に課題が出たDFも安定し、GK米澤、三浦の好セーブの光る試合だった。

■ 8月14日 vs 同志社大(○30-21)
今大会の一つ目の山場。それが同志社大戦。ここまでお互いに2戦全勝同士の対戦。ただし得失点差で同志社大が優位につけ中部大は勝利が絶対条件。この日からキャプテン平野が復帰し、冷静に試合をコントロール。川勝、向田の両2枚目のDFが1on1でハードワークし続けてくれた。中央では宿院、陸、近藤らが体を張り、GK米澤、三浦の好セーブから速攻が決まる。終盤は春季リーグで悔しい思いをした左腕エースRB福原も得点を量産し、9点差をつけて快勝。今大会の最初の山場で集中力を持って戦い抜いてくれた。堂々の1位通過で決勝トーナメントへ駒を進めた。

【決勝トーナメント】
■ 8月15日 vs 大体大(●35-36)
強豪・大体大との準々決勝。3年連続の対戦。2023年は決勝戦で延長の末に敗戦。2024年はまさかの予選ラウンド同組で対戦し大敗。3度目の正直なるか。

しかしこの試合では驚異的な身体能力が武器のLW川勝がコンディション不良で欠場。守備の部分で対人接触に優れる川勝の穴をどう埋めるかがテーマの一つとなった。

前半から点の取り合いとなりCB平野のゲームメイク、LBハリスの長距離砲などで序盤は互角の展開に持ち込む。しかし前半終盤にジリジリ点差が開き出す苦しい展開。

4年生左腕の西出とハリスのコンビプレーなどで何とか得点を繋いでいく。次の手を打とうとする度に退場者を出してしまい、我慢が続く。何度もゲームが壊れそうになりながら何とか踏ん張って16-21の5点ビハインドで前半を終えた。

ハーフタイムで後半のゲームプランを確認。勝負の後半、中部大学の反撃開始。後半11分28-27と一気に逆転に成功。逆転打は今大会が公式戦デビューの2年生の陸。後半入り更にギアをあげる切込隊長の平井からアシストから陸が逆転の一撃を沈めた。ムードが最高潮。

百戦錬磨の大体大もこのままでは終わらない。ここから一進一退の攻防が続き、後半26分33-35で2点を追いかける展開。正念場の時間帯に後半絶好調の平井が連続ゴール。遂に35-35の同点。その裏のDFを守りきれずに後半29分35-36の1点差を追いかける展開。

中部大タイムアウト。「1stアタックは6人での攻撃。もしフリースローになったら7人攻撃」で行くことを最終確認。タイムアウト明け、1stアタック開始。キャプテン平野が1on1から相手守備陣に切れ込むものの人数を掛けた守りに阻まれフリースロー。

モップが入り一時中断。その間に中部大は7人目を投入。7on6でのファイナルアタック。平野が再度チャンスメイク。復活を遂げたRB福原が飛び込む。相手GKのファインセーブ。

残り14秒。大体大ボール。大体大はタイムアウト。

中部大はオールコートマンツーマンDFで前からプレスをかける。冷静にボールを回す大体大。タイムアップとフリースローの笛が同時に鳴った。

中部大ボール。ハーフライン付近でノータイムフリースローを獲得。大体大ゴールからはかなりの距離。1年生エースのハリスに全てを託す。ハリスの渾身の大遠投はゴール前でドライブして急降下。相手GKの足元を掠めるが惜しくもノーゴール。

僅かに一点届かず35-36で惜敗。

【これまで、今、秋季リーグに向けて】
思い起こせば、春季リーグの序盤で苦しみ抜いた今チーム。2戦目で岐阜聖徳学園大に引き分け、次の愛教大戦でも敗色濃厚の試合を最後の最後で逆転し、悪戦苦闘しながらも何とか勝点を積み上げていった。春季リーグ最終戦。負ければ4位で西日本インカレのシード権を逃してしまう大同大戦にギリギリ勝利して何とか春季リーグは3位を死守。

そこからチームを立て直し、西日本インカレに向けてチーム内でフェアに競争し、25名の登録メンバーを選考した。西日本インカレでは予選ラウンドで目の前の一戦に集中し3戦全勝で決勝トーナメントへ。予選ラウンドを勝ち抜いたことで自動的にインカレ出場権を獲得。準々決勝では3年連続となる大体大戦に挑んだ。大体大戦も前半は我慢の連続だった。後半に入って一時逆転に成功したからこそ、勝ちきって次に駒を進めたかった。試合後に何度もビデオを見返した。学生たちは持てる力を出し切ってくれた。それでも僅かに1点届かなかった。

僅かな差が大きな差。その差を更に関西学院大は上回っての西日本チャンピオンである。手応えを感じる部分とまだまだやる事があるなという思いが混在している。

チームは大会を終えてOFF。学生たちは帰省。心身ともにリフレッシュして欲しい。

OFFが開けると8月末からは秋季リーグ戦が開幕する。そこからはインカレ開幕まで10週間である。

【Special Thanks】

福岡入りした日は、ハリスの母校の九州産業高校で前日練習をさせて頂いた。上田先生、九州産業高校の皆さん素晴らしい環境をありがとうございました。

暑い中、現地で声を枯らして応援してくださった保護者の皆さま、OBの皆さん、SNSやライブ配信を通じて声援を届けてくださった方々、皆さまのご支援、応援が選手たちの背中を強く押してくれました。

大会関係者の皆さま、審判の方々、運営スタッフの皆さま。本当にありがとうございました。安心して全力でプレーできるのは、皆さまのご尽力があってこそです。

今大会に携わって下さった皆様、中部大学ハンドボール部に関わって下さった皆様、本当にありがとうございました。



みどりハンドボールスクールへ ~親子2世代で~

[ パートナーハンドボールスクール講師 ]

みどりハンドボールスクールに行ってきた。愛知県名古屋市で活動する小学生チーム。今回の会場は小坂小学校。

今回、事前にお願いされていた内容は「僕の体験談」と「DFの駆け引き」。

何度も事前に打ち合わせをさせて貰った。直近の試合の映像も見せて貰って子どもたち様子やレベル感も丁寧に伝えて頂き当日を迎えた。

実施した内容はトーク&ハンドボールで2時間ちょっとのプログラム。

トークは選手時代:HONDA→ドイツ→北陸電力BT、と指導者:指導者準備期間→三重バイオレットアイリス&おりひめジャパン→中部大学の体験談。

ハンドボールはウォームアップ→シュート&GK→1on1→まとめ&写真撮影。

【中部大学ファミリー】
今回、声をかけてくれたのはみどりハンドボールスクールの野村監督。中部大学のOBで、2014年のインカレ優勝メンバー。

ちょっとだけ、むかし話。(今回はむかし話多め)

インカレ優勝後の日本選手権(当時は全日本総合選手権やったかも?)で北陸電力BTと中部大学が初戦で激突。北陸電力BTの中央を守るは僕とスーさんこと須坂さん(当時北陸電力BTのルーキー:スーさんはその後、チームの中心選手として活躍、コーチ、監督を経て、現在は中部大のコーチ)。

中部大学の後輩たちは左膝が悪い僕のところを徹底的に狙って攻めてきた。懐かしい。何とかインカレチャンピオンを退けて北陸電力BTが勝利した。

そんなインカレ優勝メンバーの野村さんが今、ジュニアの現場に立っているっていうのが、なんとも感慨深い。

今回は濱野さん(中部大学ハンドボール部4年生GK)も一緒に来てくれた。彼は将来はGKコーチを目指している。今年の2月には将来を見据えてドイツにも短期留学、コーチとしての視点を持ちながら選手をしている。

というわけで、今回は「くっしー&ハマちゃん」である。

【part1 トークセッション】
まずは20分ほど、アイスブレイクも兼ねて自分の話をさせてもらった。

HONDA時代、世界最高峰の左腕と言われたストックランの衝撃。
「同じポジションに圧倒的な選手がいたら自分はどうするだろうか?」
ちなみに当時の僕はただただ圧倒された。

そこから一念発起してハンドボールの本場のドイツへ。けど、ドイツ2年目に左膝の大怪我。選手生命を一度は失いかけた。正直、あの時はどん底だった。怪我した現実を受け入れらずに、ただ時間だけが過ぎていった。

日本に帰国する直前。ドイツの最後に撃たせて貰って外した7mtが悔しくて、「ああ、俺はもう一度ハンドボールがやりたいんや。今まで何をしていたんやろう」って現実と向き合わせてくれた。嬉しい気持ちじゃなくて、「悔しい気持ち」が次へのエネルギーになった。

「みんなはこの前の試合で勝てなくて、悔しかった?」
「この悔しさをどうやって次に繋げていく?」

日本に戻って本格的にリハビリを開始。2年間って期限を決めてもう一回コートに立ちたくて、意地になってリハビリを続けた。
北陸電力でなんとか競技復帰を果たして、また少しずつ試合に出られるようになった。

こんな感じで僕の体験談を少し話して、子どもたちが「自分だったらどう感じるか?どうするか?」を想像して貰って意見交換して貰った。

【part2 ハンドボール】
ハンドボールを「楽しむ」。大切にして欲しいことの一つ。

ウォーミングアップの中に少しずつ「DFの駆け引き」の要素を入れながら進行。OFもDFも勝ち方がそれぞれ2つずつあるルール。やりながら自分たちで自然に「駆け引き」を表現してくれた。

設定されたルールや、今の条件下で「どうやったら上手くいくだろう?」って自分たちで考える。複数のタスクを同時処置。矛盾する要素に何とか対応する。子どもたちは頭も身体もフル稼働でニコニコと頑張ってくれた。

GKはハマちゃんが丁寧に観てくれた。

最後は3ヶ所のエリアを設けての「1on1」。ここで子どもたちの反応を観ながら段階的に質問して、子どもたちの考えに耳を傾ける。

「DFの目的は?OFの目的は?」
「DFはシュートを打たせないこと?んんん〜〜〜、えっとゴールさせないことかなぁ」
とかやり取りをしていく。

「そうやなぁ。DFの目的なゴールさせないことやなぁ。じゃあ、ゴールさせない為に、GKはDFにどうやって守って欲しい?」
するとGKの子が「同じシュートなら遠くからとか、外側に追い込んだシュートなら結構取れるかも」
「おお〜、ええやん、ええやん。具体的になってきたなぁ。遠くからのシュートとか、外側に追い込んだシュートになるようにするには、仲間のDFにどうやって声かけるとそれに近づく?」

こんな調子で、一歩ずつ進めていった。

今回はあえて、最初に説明をせずに、子どもたちの反応を観ながら、質問をして、子どもたちの自分たちで考えた事をベースに一歩ずつ進めて言った。途中で「こういう視点で考えてみると良いよ」「今のヤバイって感じたんじゃない?どうしたら上手くいったと思う」って話しかけたりに留めた。

そして最後に今日の感じたことを話し合って貰って、最後に今日やったことのまとめやみんなが考えた事をホワイトボードに書いて整理した。

正直言って、この頃は「ハンドボール楽しい」って感じでくれたらそれだけでOKやと思っている。楽しいと感じることは、勝手にやる。努力は夢中に勝てない。

【平子ファミリーとの再会】
さらにさらに今回、平子ファミリーとの嬉し過ぎる再会。

平子くん、三重県出身、北陸高、日本体育大を経て大同特殊鋼phoenixで活躍した技巧派・左腕として活躍。名手、平子卓人。はい、タクト。

旧制・乾さん、奈良県出身、洛北高→大阪教育大で何度も全国制覇したレジェンド級の選手。(もし日本リーグに進んでたらって正直今でも思う人は少なく無いんじゃなかろうか。)はい、いぬっち。

この二人のとの出会いは彼らが小学生時代に遡る。僕は現役選手の頃から将来、指導者になりたいと考えていたので可能な限り準備するようにしていた。僕がHONDA時代に鈴鹿ハンドボールスクール(三重県)や真弓クラブ(奈良県)に時間を見つけては顔を出していた。そこに当時、小学生の彼らがいた。当時から二人はセンス抜群だったのは言うまでも無い。

そう言うわけで、僕の中では今でも「タクト&いぬっち」なのだ。

トークセッションの部分に少し戻ると、左膝のリハビリを経て、僕が北陸電力BTでプレーしている晩年。平子少年が日本体育大を卒業して、大同特殊鋼phoenixにスーパールーキーとして入団してきた。なんと今度は選手として対戦することになったのだ。

お互いのポジション的に直接マッチアップすることはなかったけど、入団直後から的確に飄々とプレーする姿を観ていて、すげ〜なぁと関心していた。タクトがどう感じているかは分からないけど、こっちは勝手に感慨深いものがあったので、当時のことはよく覚えている。

なんと、なんと、今回みどりハンドボールスクールに何と平子夫妻の長男くんが参加してくれていた。

「将来の指導者になるための準備」として始めたあの時間が、20年以上経ってこんな形になって返ってくるなんて、最高過ぎる。親子2世代に渡って一緒にハンドボールができる奇跡。出会い、縁、ハンドボールに感謝。

みどりハンドボールスクールの皆さん素晴らしい機会を頂きありがとうございました。日曜日の夜遅くに、ご家族が見守る中で子どもたちは大好きなハンドボールができて幸せやなぁと感じました。

僕のこうした活動を長年サポートしてくださっているトランジスタの皆さん、今回も本当にありがとうございました。

実は今回、みどりハンドボールスクールと僕を繋げてくれたのはいぬっちだった。いぬっち、ありがとうね〜。



ユメセン@飯野小学校

[ ユメ先生講師 ]

2025年6月13日。愛知県豊田市立飯野小学校で、夢先生として登壇させて頂いた。今年度、初の夢先生。

対象は5年1組と2組。どちらのクラスも、最初から元気ハツラツ。目が合えばニコッと返してくれるし、リアクションも大きい。直前の打ち合わせで担任の先生から「世界へピース」「天まで届け」と言う学級目標も教えてもらった。

前半はゲームの時間
全力で動くって、やっぱり最高。夢先生のプログラムは、まずゲームから始まる。みんなで協力して、考えて、動いて、ぶつかって、笑って。全力で遊ぶ時間。

勝ったら嬉しいし、負けたら悔しい。何より大事なのは、「全力でやる」「協力すること」こと。子どもたちは、思い切り身体を動かしながら、自然と仲間と協力し、声をかけ合い、チャレンジしていた。


後半はトークの時間
教室に戻って、今度はトークの時間。伝えたかったのは、「本気」で挑戦することの大切さ。自分の人生を「本気」で生きているかは実は自分が一番分かっているんじゃないかと思う。

適当に過ごしていた中学生、高校生の頃の話。中部大学に進学して「本気」でハンドボールやり始めた矢先のユニフォーム係の話。ホンダ時代のストックランの衝撃。ドイツでの左膝脱臼。リハビリからの競技復帰。成功よりも失敗や挫折のほうが多かった。あと先考えず、ずっこけてばっかりやった。

うまくいく保証なんてどこにもない。でも、自分でやると決めて「本気」で挑戦することが大切やと思う。


アシスタントの泊さん
今回のアシスタントはトマちゃんこと泊志穂さん。元サッカー選手。一緒に活動するのは初めてだったけど、ゲームの時間の進行などサポートして下さった。

そして驚いたのが、おりひめJAPAN時代に一緒にハンドボールをした田邊さんと、なんと大学の同級生だった。授業の合間にトマちゃんが「くっしーさん、ベーちゃんって知ってますか?」って。懐かしくて思わず笑った。

スポーツって、こういう不思議な縁を何度もつないでくれる。

最後に
「夢」ってポンって出てくる子もいれば、うーんって唸りながら夢シートを書いている子もいた。それで良いと思う。

実際に僕は中学生、高校生の頃に「夢」なんて特に何も無かった。ハンドボール選手になりたいくてハンドボールを始めたわけではない。中学の体育の授業でハンドボールが体験できて、高校時代に何とく始めたハンドボールだった。ゆるゆるやった。当時、職業につながるとは1ミリも思って無かった。

飯野小学校のみんながこれからどんな道を歩むのか、楽しみやね。「夢」や「目標」に向けて「本気」で挑戦していると壁にぶつかったり、苦しい時が必ずくる。そんな時こそ、成長するチャンス。自分を信じて一歩ずつ進んでいって欲しい。

飯野小学校の5年1組、2組のみんなの「夢」を応援しています。



ハンドボール講習会@新潟 ~仲井友崇という男~

[ パートナーハンドボールスクール ]

ハンドボール講習会@新潟
6月上旬、新潟に行ってきた。ハンドボール講習会。午前と午後の2部構成。テーマは「ポストとの2on2」。主催は新潟県ハンドボール協会。集まったのは高校生、大学生、社会人、男女合わせて約150人。午前は高校生男女を中心に100名を超える大人数だったけど、指導者の皆さん、大学生の皆さんがサポート役に回ってくれて本当に助かった。

キッカケは仲井友崇という男
今回の講習会、きっかけをくれたのは仲井友崇。ドイツ時代の戦友。彼のことを説明しておくと、大同大学の一期生。卒業後に単身ドイツに渡り、あのTHWキール相手に公式戦で得点を決めた超テクニシャン。どのポジションも器用にこなすけど、本職の左サイドでのシュートテクニックは一級品。そんな仲井さんは新潟国体を機に新潟に移住。僕が北陸電力BT在籍時は国体の北信越予選で何度か対戦した。そして43歳の今も現役プレーヤーをしながら、地元の高校、大学をガンガン巻き込んで競技力向上に取り組んでる。今回も「櫛田さん、新潟で2on2メインで講習会やって欲しいっす」って感じで連絡をくれた。

テーマはポストとの2on2
そんな訳で今回のメインテーマはポストとの2on2。特に2人のDFの間にPVを配置した2on2と2人のDFの外側にPVを配置した2on2を丁寧に整理しながら進めていった。6on6でフォーメーションプレーをするのではなく、PVを絡めた2on2から再現性のある攻撃を展開する。うまくいかない時に何を見て、何を変えるか――その感覚を掴んでほしかった。

参加者の皆さんはめちゃくちゃ前向き。吸収しようとする姿勢が全身から出てて、見てて気持ちよかった。10年以上前に柏崎工業で講習会を開始した時にお世話になった越前先生、その時に高校だった少年が33歳の青年になって嬉しい再会もあった。

最後に
今回の講習会に関わってくれた新潟県ハンドボール協会のみなさん、準備も運営もありがとうございました。そして集まってくれたすべての選手、そして指導者の皆さん、本当にありがとうございました。僕のこうした活動を10年以上もサポートしてくださっているトランジスタ様、今回もありがとうございました。

そして何よりも、仲井さんの「少しでも新潟のハンドボール界のために、新潟の子供たち、指導者のために」って想いが今回の出発点。僕にとっては彼の存在そのものが、常に刺激になっている。選手としても指導者としても、まだまだ走り続けて欲しい。家族みんなでハンドボール中心の生活を心から楽しんでいてホンマに最高やった。



2025年度•東海学生春季リーグ戦は3位

[ 2022~ 中部大学 ]


2025年度の東海学生春季リーグを終えた。
最終成績は9戦6勝2敗1分の3位。


目指していた「全勝優勝」は遠く及ばなかった。ここ数年、チームの主軸としてプレーしていた先輩たちが卒業し一気に若返った今季のチーム。ある程度は覚悟していたが、春季リーグの序盤から苦しい試合展開が続いた。7戦目の名城大戦に敗れ、この時点で優勝の可能性は消滅。最終戦の大同大戦に一点差で勝利して何とか3位で終え、西日本インカレのシード権を獲得できた。

【2025年度東海学生ハンドボール春季リーグ戦結果】
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第1戦 4月13日(日):中部大 ○ 36(23-13・13-14)27 ● 愛知大
第2戦 4月20日(日):中部大 △ 31(18-16・13-15)31 △ 岐阜聖徳学園大
第3戦 4月26日(土):中部大 ○ 31(12-16・19-14)30 ● 愛知教育大
第4戦 5月03日(土):中部大 ○ 45(26-17・19-12)29 ● 愛知産業大
第5戦 5月04日(日):中部大 ○ 35(16- 9・19- 7)16 ● 岐阜大
第6戦 5月10日(土):中部大 ○ 31(16-11・15-15)26 ● 朝日大
第7戦 5月11日(日):中部大 ● 27(10-17・17-12)29 ○ 名城大
第8戦 5月17日(土):中部大 ● 25(10-16・15-22)38 ○ 中京大
第9戦 5月18日(日):中部大 ○ 33(17-15・16-17)32 ● 大同大

【苦しかった前半戦】
春季リーグ序盤、2戦目の岐阜聖徳戦は後半終盤に逆転を許す苦しい展開。
LB斎藤のロングシュートで同点に追い付き、最後はRB向田のシュートで逆転を狙ったが、勝利には届かなかった。残り2分を切ってリードを許す展開から最後は何とか引き分けに持ち込み、何とか勝点1を拾った。

続く3戦目、愛知教育大戦はさらにタフな試合展開だった。
後半途中で最大7点ビハインド。思うように行かない展開が続き、耐えて、耐えて、耐えて、耐えて、そこから怒涛の追い上げで、ラスト1秒でLW迫田のサヨナラシュートでギリギリ逆転勝ち。
前半戦は、結果的には負けていないが、紙一重のゲームばかりだった。

【流れをつかんだ中盤戦】
第4戦の愛知産業大戦、第5戦の岐阜大戦、第6戦の朝日大戦。
このあたりからチームはようやく本来のリズムを取り戻し、しっかり勝ち切る力を発揮できた。愛産大戦の大量得点45得点よりも、岐阜大戦での失点16に手応えを感じていた。続く
朝日大戦でも相手に流れを渡さない、着実な試合運びで勝利することができた。

【勝負の終盤戦】
7戦目の名城大学戦。
前半途中でまさかの10点ビハインド。そこから必死に追いかけて、後半は何度も1点差に迫った。
しかし最後まで追いつけず2点差で敗戦。
この時点で優勝の可能性がゼロになった。目標としていた優勝を手にすることはできなかったが、今度は西日本インカレのシード権獲得に向けて気持ちを切り替える必要がある。昨シーズンはここでガタガタと崩れてまさかの4位になり、それ以降のチーム強化に大きな影響が出た。

次の中京大戦は、気持ちを切り替えて臨んだつもりだったが、前半中盤までは拮抗したものの、そこから完全に流れを失う。
前半終盤から後半にかけては防戦一方。
完敗だった。中京大戦の敗戦直後に、すぐさま名城大vs大同大の試合結果を知る。もしここで大同大が勝利していれば、この時点で中部大の4位が確定していた。これで翌日の大同大戦に勝利すれば、自力で3位を死守できる。

【最終戦は死闘】
リーグ最終戦の大同大戦。
優勝の可能性は消えたが、中部大はここまで5勝2敗1分(勝点11)の4位、大同大はこの時点で6勝2敗(勝点12)の3位。春季リーグの3位をかけた、西日本インカレシード権をかけた大一番。試合序盤から一進一退の攻防が続く、後半セーフティリードを保ったかと思えば、追い上げられ、常に大同大から圧力を感じながらの試合だった。しかし最後まで集中を切らさずに何とか1点差で勝利することができた。この試合の勝利には、春リーグで積み重ねてきた全てが詰まっていた。

【最後に】
優勝には届かなかったが、全試合を全力で戦った選手たちにまず拍手を送りたい。
選手たちがハンドボールに集中できるように全力でサポートしてくれたスタッフ、マネージャーに心から感謝している。中部大学ハンドボール部、東海学生春季リーグ戦に関わって下さった全ての皆さんありがとうございました。

優勝に輝いた名城大の皆さん、おめでとうございます。