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フルマッチでしか得られないものがある。リーグ戦だからこそ得られるものがある。

[ 2022~ 中部大学 ]

実験的に部内で3チーム作って、リーグ戦を展開している。名付けてCリーグ。

約3週間かけて3チーム総当りの2周を予定している。今週開始して、今日で1stラウンドを終えた。

30分前後半、タイムアウトありのフルマッチ。会場設営、映像撮影、レフリーなども学生たちが行う。チーム戦術も選手交代もタイムアウトも全て学生たちが行う。各チームにほんの少しだけ、スタッフからのオーダーは出してあるが自由度は90%くらいある。

3週間の中で必要であれば内容もタイミングも自分たちで考えてミーティングを行う。


昨年のインカレが終わってから2ヶ月半くらいかけて学生たちが自分たちでリーグ戦を戦えるように準備を進めてきた。

Cリーグの2ndラウンドは再来週。今から楽しみにである。

部分練習も大事だし、20分や30分のミニゲームも有意義だ。しかし、30分前後半のフルマッチでしか得られないものがある。リーグ戦だからこそ得られるものがある。

自チーム内と言えど、ユニフォームを身に纏っての試合は嫌が応にもテンションが高くなる。

全員がリーグ戦を経験した上で今週末のJHL観戦(琉球コラソンvsトヨタ車体、北陸電力BTvs大同特殊鋼)。これまた楽しみである。



いま、ここ、じぶん

[ 2022~ 福井県スーパーアドバイザー日々 ]

2022年度の福井県のスーパーアドバイザー事業を無事終えることができた。2009年から合計6シーズン在籍した北陸電力ブルーサンダー(以下、北電BT)に2022年4月から何度かコーチングをする機会を頂いた。

毎回、須坂監督と事前に打合せをしてその時のテーマや課題を聴かせて貰った。須坂監督からのオーダーを参考にしメニューを作成、その場で選手の反応を見ながら進めていくことが多かった。

少し話を戻す。

2007年にドイツで左膝を脱臼して、所属チームがなく、リハビリを続けている時に救いの手を差し伸べてくれたのが北電BTだった。2009年の夏が終わる頃に縁も所縁もない福井で活動することになった。シーズン途中に通過登録して貰って、数試合は少し試して使ってもらえた。テーピングをグルグル巻きにして試合に出ては相手にスコンスコン抜かれて、1ヶ月も経たないうちに殆ど出番はなくなった。

そこからDFメインでまともに試合出場できるまでに2年くらいかかった。左膝を脱臼して北電BTに加入するまでに約2年。そこからそれなりに試合でプレーするまでに更に2年。合計4年かかって試合出場できるようになった。本職のRBと2枚目DFではなく、中央を守るディフェンダーが新しい役割になった。

当時の北電BTは連戦連敗。1年に1回勝てたら良い方だった。仕事を終えて夜の練習をスタートする時には3,4名で開始。練習の途中に人が増えてきて、やっと最後の30分に4対4が出来るなんてことが日常的にあった。平日に残業しておかないと、週末の試合や遠征に帯同できない現実があったのだ。トップリーガーがこれで良いわけないのだが、当時はこういう現実を受け入れて、拾ってくれた北電BTに感謝してハンドボールを続ける以外になかった。

最後の3シーズンはコーチ兼任選手として神田監督、前田監督のもとで多くの経験をさせて貰った。須坂監督、藤坂キャプテンは北電BTでのラストシーズンの大卒&高卒ルーキーとして一緒にプレーした。当時のチームメイトでまだJHLに在籍しているのは須坂監督と藤坂キャプテン、そして福岡ゴールデンウルヴスの赤塚コーチ兼任選手のみになってしまった。

その二人が監督&キャプテンを務める北電BTでこの仕事をさせて貰えるのは感慨深い。

2022-2023シーズンもいよいよ終盤。シーズン終盤のこの時期は、多くのチーム、多くの選手が色んな事を抱えながらハンドボールしている。新リーグ構想の事もあってか、今シーズンは尚更だ。

プレーオフ争い、レギュラー争い、ベンチ入り、怪我、引退、国内移籍、海外移籍、追加登録、試合での好不調、一試合の勝ち負けで、天国と地獄が交互にくる。

残り数試合、数時間、今のそのメンバーでハンドボールができる限られた時間。今いる自分の場所に集中して、全力を注ぐ。その先に未来がある。

JHLの選手として活動できる一瞬一瞬って本当に貴重だ。「いま、ここ、じぶん」に集中して全力を出し切ることができますように。ただただそれだけ。

それにしても現在進行形で指導しているピサノ(中部大学3年)が北電BTに加わることになるとは夢にも思わなかった。


フレア体育館に行くと、毎回誰かしらと懐かしい再会がある。今回は当時のチームメイトの高橋&高田&桜井(桜井は残念ながら写真なし)と嬉しい再会。

彼らは今、福井の子供たちのコーチをしている。



枠組みを理解しながら個性を発揮する。型を作りながら主体性も育む。

[ 2022~ 中部大学日々 ]

2022年度に担当している全講義(計160回)を無事終えることができた。健康科学、スポーツC(ハンドボール)を受講してくれた学生の皆さんにとって何か少しでもプラスになっていれば幸いだ。あと少し試験やレポートを頑張って、ええ春休みを過ごして欲しい。

2022年11月のインカレが終わってから作取監督と僕で交互に全国各地の高校生を観てまわっている。どちらかが本体に残り、どちらかがスカウトに出るって感じだ。

高校生の試合のベンチ、あるいは大学生チームのスタッフとして大会視察に来ている元日本リーガーの姿を見かける。

現役選手時代の対戦相手、指導者になってからのライバルチームの選手、日本代表として共に頑張った選手など。試合の合間なので、そこまで話し込むことはないけど、現役選手を引退してもハンドボールに関わって、次世代のために頑張っている姿を見ると嬉しくなるし誇らしくもなる。

負けてられへんなと。

さてさて、ハンドボール部も凍えるような寒さの体育館で熱くハードワークする日々が続いている。年末年始の帰省から戻ってきた学生たちのコンディションも徐々に戻りつつある。流石にオフ明けは体が重そうな学生がチラホラ。

1月中旬以降は高校生が中部大学に集まって練習試合を行う機会が多かった。併設校の春日丘だけではなく、富山、石川、長野からもバスに揺られて高校生が中部大学に足を運んでくれた。

中部大学の学生たちは自分たちがテーマにしている2対2や数的優位時の速攻などを実戦の中で積極的にトライしていた。高校生のみんなも一球一球、必死に頑張っていた。

個人的には高校生、大学生問わず、2対2の駆引きが上手な選手は見ていて楽しい。高校生の皆さんは来週末の大会で全力を尽くせますように。

こうして世代を越えてお互いに切磋琢磨できるのはええなぁ。

練習メニューを提示して、狙いを考えて貰う。狙いや修正箇所を伝えて部分練習メニューを考えて貰う。設定時間を伝えてその中で自由にやって貰う。時には学生に進行役も任せてみる。かと思ったら原理原則に立ち戻る。徹底的に基礎基本をやり込む。そしてまた手放していく。守破離。

枠組みを理解しながら個性を発揮する。型を作りながら主体性も育む。部分的に任せながら一緒に成長していく。

こういうのは、正解も答えもないし、即効性はあまりない。それでも作取監督を中心に学外スタッフにもご協力頂きながら学生たちの成長をみんなで見守る日々。

ここ最近はそんな感じである。



自調自考

[ パートナーハンドボールスクール ]

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。

年末年始は10年ぶりくらいに纏まった休みを取ることができた。妻の実家の金沢で家族と過ごした。長男のカポエイラ、兼六園、スキー、家族での食事会、温泉、石川県立図書館などなど、のんびりとアクティブ(どっちやねん)に休みを満喫した。

1月5日からチームの活動は再開。実家に帰省していた学生たちも元気に戻ってきた。翌日からは授業も始まって、すっかり通常モードだ。

先週末は香川県の高校生の大会へ足を運び、その足で奈良県へ移動。

奈良市中学生選手権に顔を出し、大会後に参加チーム対象のクリニックを行った。中高一貫指導の学校の部活動チーム、地域のクラブチームなど参加チームの顔ぶれは様々だった。

指導者陣からの事前オーダーはDF。特に接触することが苦手だと教えてもらっていた。クリニック前の大会を観させてもらってDFは間合いと接触、OFは状況判断をテーマにしてメニューを作成。

参加者の殆どがハンドボールを始めて2年未満。DFの時に強く接触することに対して恐怖心があるのは当然。OFもまだまだボールウォッチャーになってしまう子が殆どだった。

子供たちにもテーマを伝えて、遊び感覚の中でワイワイと体を動かしてもらった。

「みんな、DFの目的って何やと思う?OFの目的って何やと思う?」って質問して、子供たちに頭を捻りながら考えてもらった。

「DFは得点を決めさせないこと?失点しないこと?かなぁ。」
「OFは得点をとること?シュートを決めること?やと思う。」

思いの外、すっとシンプルな意見が出てきた。

「そうやね。じゃあDFはどんなシュートを打たせたくない?OFはどんなシュートを打ちたい?」

子供たちはゴールから伸びたゴム紐を色んな角度に引っ張ってみたり、目線とボールのリリースポイントの違いを確認してみたり、試行錯誤。

「DFは相手の正面よりもボールを持っている腕側に立って接触する方がシュートって防げるんじゃないか?」
「外に外に追い込んだ方がシュートを打つコース無くなる?」

って自分たちで話をし出した。

ええやん。ええやん。こんな感じで、子供たちに問いかけながら進めていった。

クリニックを終了後にみんなで記念撮影。今回も日本シグマックス様が参加者全員にザムストランドリーバッグをプレゼントしてくださった。いつも本当にありがとうございます。

奈良県は僕が小学4年生から高校卒業まで過ごした土地。今でもこうして奈良県の子供たちと触れ合う機会を作って貰えて本当にありがたい。

クリニック前にあった奈良市中学生選手権に日本リーグを担当するレフリーと学生レフリーの姿があった。学生レフリーが日本リーグのレフリーからのアドバイスに耳を傾けていた。ハンドボールのルールをそれとなく子供たちに伝えながらの優しい笛。

未来への種蒔きがなされていた。



傷害予防と身体能力向上

[ パートナーハンドボールスクール日々講師 ]

インカレを終えてから年末にかけて何度か講演やクリニックの機会を頂いた。こうした活動を日本シグマックス様(ザムスト)、ファーストフロンティア様(トランジスタ)が何年もサポートして下さっている。

少しずつだが、子供たち、指導者の皆さんと顔を合わせながらのこう言う機会が戻ってきたのは嬉しい限りだ。

今回は講演やクリニック、普段のコーチングの中で気づきや裏話をブログに纏めてみる。ハンドボールの技術や戦術的な話が中心ではなく、アスリートの傷害予防や身体能力向上って観点からの内容になると思う。

先日、愛知県アスレティックトレーナー連絡協議会@中京大学に参加し、僕は特別講演②を担当させて頂いた。(アスレティックトレーナー、以下AT)

参加者は既にスポーツ現場に立つATさん、ATを志す学生さんなど90名ほど。勿論、関わる競技はハンドボール以外の方が殆どである。

1時間の持ち時間の中で、下記の流れで話を進めていった。

・自己紹介
・選手時代のエピソード
・指導者時代のエピソード
・振り返り&まとめ

<選手時代のエピソード>
2007年にドイツでの試合中に左膝を脱臼。複合靭帯損傷(前十字靭帯、後十字靭帯、内側側副靱帯、半月板などを損傷)という診断結果を受け、ドイツで2度の手術。競技復帰は絶望的というドクターから見立てもありドイツのチームをクビになり帰国。日本での2年間リハビリを経て、北陸電力BTで競技復帰。リハビリ期間は経済的にも困窮、ペットボトルを買うのも躊躇う日々。自力での歩行も困難な時からリハビリでお世話になったトレーナーとのリハビリ奮闘記。

<指導者時代のエピソード>
自国開催での世界選手権直前に前十字靭帯損傷を負った選手とのリハビリ、競技復帰までの話。雇用先、JISS、代表スタッフ、所属チームのメディカルスタッフなど各方面からの理解や協力を得ながらの手術やリハビリ。新型コロナもあって延期になった東京五輪での活躍。本人の競技復帰にかける強い意志、人柄や裏話などを交えた復活記録。

上記の話の後には参加者同士のグループディスカッションを実施、最後にまとめと質疑応答をさせてもらった。

ある程度、予想はしていたが「指導の際に男性と女性で気をつけている点や違いはあるか?」って言う質問を頂いた。

「ハンドボールの技術や戦術的には大きな差は感じていません。寧ろ男女ともに同じ大きさのコートでプレーするのでスペース自体は女性の方があるように感じています。月経、出産や傷害予防(特に女性アスリートのACL損傷とその予防)に関しては注意していましたし、大切にしていました。。それでもACL損傷をゼロにできたはMVIでの最後の1年だけでした。」と僕からの回答。

「アスリートが主体的に成長していく為にという前提で、ATさんが自分の専門領域や自身の能力を最大化して仕事をするための環境や、仕事がし易いコーチングスタッフとの関係性ってありますか?」とATの方に僕からも質問させて貰った。

「お互いにプロフェッショナルとして専門領域に責任を持ちつつ、その枠を少し超えてお互いに意見や情報を交換できる関係性ですかね。」と言うATさんから回答。

完全に同意である。

アスリートを中心に、アスリートに関わる全ての人がそれぞれの専門領域を活かし、協力しあってサポートしていけるといいなと思う。実際にスポーツの現場ではそういう環境はまだまだ少なくて、現時点では理想論に近いかもしれないが、現実を見つつ理想は追いかけたい。

改めてだが、非常に学びの多い機会だった。

10月、11月、12月と静岡県に足を運ぶ機会が何度かあった。

静岡県で高校生を指導しているストレングス&コンディショニングコーチの方とのじっくりと意見交換する機会があり非常に学びが多かった。(以下、S&Cコーチ)

因みにS&Cコーチとは、アスリートを対象に、ケガの予防と競技に必要な身体能力の向上を目的とした筋力トレーニング、その他のトレーニングを指導する専門家のことを言う。

コンディショニングと言うと、体調を整える、軽く動く、マッサージ、治療、テーピングみたいなイメージを持つ人が多いかもしれない。しかし、ここで言うコンディショニングとは走るスピード、方向転換能力、敏捷性、ジャンプ力、心肺機能、エネルギー代謝能力を向上させる為の各種トレーニングの事を指す。

JHLだとトヨタ車体がS&Cコーチを配置していて個人的には大注目している。

実は高校生チームにS&Cコーチがついていることに衝撃を受けた。それと同時に嬉しくもなった。他競技では当たり前になりつつあるのかもしれないが、少なくともハンドボールの高校生チームについているS&Cコーチとお話する機会は僕にとっては初めてだった。

自分自身が2007年に左膝を脱臼して、2年間のリハビリを経て競技に戻った。その後、まともに試合出場するのにもう2年かかった。合計4年間はまともにハンドボールが出来なかった。練習でも試合でも左膝をテーピングでぐるぐる巻きにしてプレーしていた。怪我をして成長できた部分もあったが、プレーをする面では怪我をしてマイナスことが多かった。

左膝を怪我してから自分の身体と向き合うようになり、リハビリを通して傷害予防や身体能力向上に自然と興味を持つようになった。今でも自分自身の身体でずっと実験している。

そんな自分自身の怪我の経験もあって、指導者になってからコンディショニングの部分には注意しながら自チームの指導をするようになった。クリニックの際にも、ハンドボールの技術的、戦術的な部分は勿論だが、可能な限りコンディショニングの部分にもメニューに盛り込んで指導するようにしている。

前出の日本シグマックス様、ファーストフロンティア様はこうした僕の想いも含めて、子供たちの為に何年もサポートして下さっている。

現在進行形で指導をしている中部大学の学生たちの中には将来的に指導者を視野に入れている学生もいる。ハンドボールの技術的、戦術的な部分へのアプローチは勿論、ストレングス、コンディショニングへのアプローチをするようにしている。目的、チェックポイントなど、少しずつ理解を深めてもらっている。

傷害予防をして、身体能力を向上させて、今より凄いプレーをするのだ。

自分で興味を持って実践できて、チェックポイントを理解し説明できて、専門家の人とそれなりに対話ができる。そんなアスリートが増えていくと良いなと思う。

まだまだ僕も学び続けたい。



文武不岐

[ 2022~ 中部大学 ]

中部大学ハンドボール部は新チームが始動して1ヶ月が経過。そして本日、2022年内の担当講義が無事終了した。

サッカーW杯が開幕して眠そうな顔で講義に出席していた学生たちの顔も、少しずついつもの感じに戻ってきた。(ような気がする)

W杯が始まった頃はグランドでサッカーすると汗ばむほどだったのに、あっという間に凍えるような気温になってしまった。W杯中はみんな5分くらいはメッシだったし、エムバペだった。日本代表の快進撃はAbemaTV(本田解説)で観ることが殆どだった。アルゼンチンとフランスの決勝は本当に凄かった。ただただ凄かった。

インカレを終えて、2週間のオフを挟み、新チームがスタートしてあっという間に12月末。攻守の2on2や速攻練習、週2回のウエイトトレーニングに明け暮れる日々である。コートの四隅にベンチを置いてあるのだが、1コーナーだけベンチが空いているの見ると4年生が引退していったことを実感する。

この1ヶ月は週末になると県内外の高校生の大会を見て回ることが多かった。春の選抜大会に繋がる県大会と言うこともあって、白熱した好ゲームが何試合もあった。それにしても今の高校生たちの技術レベルは高い。自分が高校生の時に逆スピンシュートなんて見たこともなかったし、そんなテクニックがあること自体を知らなかった。

今週は、新チームがスタートしてから1ヶ月の振り返ることを目的としたミーティング。そしてフィールドテスト&ウエイトテスト。紅白戦。この1ヶ月の総まとめ的な位置付けの1週間。

この1ヶ月で3kg以上も体重が増え、1ヶ月前よりも遠くにジャンプできて、速く走ることが出来るようになった選手もいた。トレーニングと並行して、栄養補給や睡眠にも意識を向けて取り組んだ成果が少しずつ出てきた。

今回掴んだ手応えや感じた変化を継続してこそ意味がある。アスリートとして体や心を休める意味でのオフはあっても、アスリートとして生きることに24時間、365日オフはないのだ。

ハンドボールのトレーニングは1日に2時間程度。その2時間に全力を尽くすのは大前提。その上でそれ以外の22時間をどう生きるのか。授業、アルバイト、食事、睡眠、リラックスタイム、そしてハンドボール。全て繋がっている。

文武不岐。



全日本インカレ2022を終えて

[ 2022~ 中部大学 ]

11月4日は全日本インカレの初戦だった。

中部大学 26(14-15 12-17)32 国士舘大学

前半からいいリズムの攻守で国士舘大学に先手を取って試合序盤は試合を進めることができた。前半終盤にかけて、国士舘大学の反撃にあい1点ビハインドでハーフタイムを迎えた。後半に入って2~3点差を追いかける我慢の展開が続いた。終盤にかけて、徐々に点差が開き、終わってみれば6点差での敗戦。国士舘大学の5:1DFに対して、準備してきた攻撃を丁寧に続けて何度も良い形を作った。しかし後半中盤以降は相手GKの好セーブもあり、決定的なシュートチャンスをものにすることが出来なかった。

これで2022年度の全て公式戦が終了した。長い間チームを引っ張ってきてくれた4年生、本当にお疲れ様。そしてありがとう。

僕が中部大学ハンドボール部に合流したのが4月1日、そこから11月4日のインカレ初戦まで7ヶ月と4日間。踠きながらもチームと自分を何とか変えようとする4年生の姿を目にしてきた。

目に見えるような形を残したり、自分たちも周囲も納得できるような結果を出せた訳ではないかもしれない。それでもコロナ渦で満足に活動することすら難しかった時期を耐えてきた4年生。決して良い時ばかりでは無かった。整理できない思いを吐き出しながら、涙ながらに本音をぶつけ合う4年生の姿を僕は何度か見た。3年生以下はそんな4年生から何かしら感じるものがあったと思う。

特に西日本インカレ以降は、チーム全体で変化しようとする姿があった。それでもインカレ初戦敗退。良くなって来ていると言え、勝負の世界はそんなに甘くない。どのチームだって頑張っている。インカレを勝ち抜いていくために何が必要なのか。チームとしても、個人としても。一度立ち止まって頭も心も体も整理して次に向かっていこう。

2022年度の全日本インカレは日本体育大学との激闘を制した中央大学の優勝で幕を閉じた。中央大学は2年連続5度目の日本一に輝いた。中央大学の皆さんおめでとうございます。

東海学生リーグ勢の名城大学、大同大学も激戦を勝ち抜いてベスト4まで勝ち上がっていった。東海学生リーグ、西日本インカレ、練習試合と何度も一緒にハンドボールをしてきた両チームの健闘は嬉しくも悔しくもある。この刺激を力に変えて、また学生たちと共に頑張っていくのみである。

優勝 中央大学
準優勝 日本体育大学
3位 名城大学、大同大学



平日の夜に大学内で250名以上が集まった壮行試合

[ 2022~ 中部大学 ]

10月31日。10月最終日。新しい1週間スタート。明日から11月。そして11月4日にインカレ初戦。国士舘大学との一戦を控えている。

通勤途中に全身に青いヌイグルミを纏ったバイク🛵が横切って行った。あれは恐らくドラえもん。ドラえもんの手は丸いはず。ハンドルはちゃんと握れてるんやろうか。

冗談はさておき、先日、感慨深いイベントがあった。

時は10月26日(水)18時30分。学生にとっては授業のある平日の夜。中部大学で、大同大学とのインカレ開幕に向けての壮行試合を行った。

教職員の方々、学生の皆さん、併設校の春日丘高校ハンドボールの皆さんの大声援の中でハンドボールが出来て本当に幸せな時間やった。スポーツ部の皆さんの応援は本当に力強かった。

250名を超える方にハンドボール観戦してもらえて最高やった。

「平日の夜にこんな風に大学内でスポーツ観戦できる、観客と応援がある中で試合をさせて貰えるってめちゃくちゃ最高やん。」って個人的には感じている。

今回は学生想いの作取監督が学内外で調整して、実現させてくれた。今の4年生は新型コロナの影響をモロに受けてきた学年だ。公式戦のコートで思うように活躍する場がなかなか無かった。そんな4年生たちに「中部大学ハンドボール部で4年間過ごしたことを誇りに感じてもらえる機会を作ってあげたい。」って作取監督の想いが詰まった時間と空間だった。

僕は自分の担当講義の後に「壮行試合やるから応援来てね〜」って呼びかけしたくらいだった。試合を観に来てくれた学生が翌日の講義の際に「そこまでルールは分からなかったけど、ハンドボールめちゃくちゃ面白かったですよ。」「2番、10番、15番の選手が凄かったです〜。」って感想を教えにくてくれた。大学でもこの春から「スポーツ宣言」をしているので、こう機会を継続して作っていきたい。

平日にも関わらず授業やお仕事を終えて駆けつけてくれた大同大学の皆さん、レフリーの皆さん本当にありがとうございました。



インカレ前の4年生の姿

[ 2022~ 中部大学2022~ 福井県スーパーアドバイザー ]

10月も中旬になりすっかり秋模様。

講義の合間に涼しくなった学内を歩いていると春学期に担当していた学生たちの顔を見かける。「久しぶりですね。元気ですか?」と声を掛けてくれる。スポーツ部で頑張っている学生が「この前、試合の時にベンチ入りできました。」など近況を伝えてくれる。嬉しいね。

10月頭に秋季リーグ戦を終え、中部大学ハンドボール部はインカレに向けて最後の1ヶ月を過ごしている。

10月8日(土)は日帰りで福井遠征。北陸電力BT、大同大学とのテストゲーム。25minのミニゲームを午前、午後と何度も繰り返した。大学勢はインカレに向けて、JHLチームはリーグ再開に向けてと言う位置付け。

秋季リーグ戦後に富山県代表として栃木国体に出場していた中村(3年)&中島(2年)も福井遠征からチームに再合流。国体では佐賀県(トヨタ紡織九州)と対戦し、JHL勢のプレーを生身で体感して帰ってきた。

余談だが今年度は福井県の競技力向上対策事業スーパーアドバイザーとして何度か北陸電力BTの指導機会を頂いた。2009~2015年まで6シーズン、自分がお世話になったチームに関わる機会を頂けて嬉しい限りだ。

そして現在進行形で関わっている中部大学が古巣とテストマッチをするのは何とも感慨深い。

10月10日(月)はビノベーションレポートの森友紀さんを招いてのレクチャー。春季リーグ戦後から月に一回のペースで指導に来てくれている。アルティメットで選手兼任監督として世界一の経験がある森さんからの実体験を元にした話は本当に貴重だ

10月12日(水)、インカレメンバー&作取監督は授業後に中京大学とのテストマッチへ向かった。

サポートメンバーは中部大学に残ってハンドボール&ウエイトトレーニング。僕はサポートメンバーを担当。サポートメンバーの4年生が率先して頑張る姿がそこにはあった。

10月14日(金)、中京大学が中部大学に来てくれた。今週は平日にHome &Awayでテストマッチを実施。今度はお互いインカレで勝ち上がって対戦出来ると良いなぁ。

チームスポーツをしていれば、良い時ばかりじゃない。上手くいかない時の方が多いかもしれない。それでも、腹の底にあるものを少しずつ吐き出す。見て見ぬ振りしてきた事と正面から向き合う。まだまだ照れながら、奮闘中。

インカレ前の4年生の姿勢って言うのは、みんなが観ている。プレー、言葉、姿勢、在り方。

自分の調子が良い時だけではなく、上手く行かない時に何ができるか、どう在るか。

ほんまに最後の最後までやり抜いて欲しい。ただただそれだけ。



2022東海学生秋季リーグ戦

[ 2022~ 中部大学 ]

10月2日(日)17時45分、東海学生秋季リーグ最終戦。対戦相手は大同大学。春季リーグでは勝てなかった相手。勝てば優勝、負ければ4位。4年生と共に闘うことができる最後の秋季リーグ。気合いみなぎる学生たち。

最終戦から一週間前に少し話を戻そう。

ちなみに9月25日試合開始前の時点の上位4チームの成績。まさに横一線。

名城大学 6戦全勝
大同大学 6戦全勝
中京大学 6戦全勝
中部大学 6戦全勝

いよいよ上位4チームの直接対決が始まる。

9月25日(日)9時30分、東海学生リーグ第7戦。対戦相手は名城大学。西日本インカレの王者。

中部大学 23-26 名城大学

ここまで共に6戦全勝同士。西日本インカレの準々決勝で大敗した相手に後半終盤まで優勢に試合を進めたが、最後の最後で逆転を許し3点差での敗戦。ラスト5分までリードし続けただけに悔しい敗戦だった。これで7戦6勝1敗。

9月25日終了時点の上位4チームの成績。

名城大学 7戦7勝
中京大学 7戦7勝
大同大学 7戦6勝1敗
中部大学 7戦6勝1敗

春季リーグ9試合、西日本インカレ4試合、ここまでの秋季リーグ6試合を通して、今回の名城大学戦が初めてラスト5分を切っても勝敗の行方が分からない試合だった。学生たちにとって、今シーズン、このチームの公式戦でこういうタフな試合展開は初めての経験だった。

自分たちで対戦相手を分析し、対策を考えて、練り上げたゲームプランで試合を進める。その中で相手とやり取りをしていく。そこがあるから最後の最後まで勝敗の行方が分からない試合展開に持ち込めるようになってきた。西日本インカレではそこまでに至らなかった。

お互いに準備してきたことを出し合ってプレーする。最後の最後まで勝敗の行方が分からない試合展開。その先にスポーツの醍醐味が詰まっている。ギリギリのところで自分を信じて何ができるか。そこからどうやって勝点を取り切るところまで持っていくのか。ようやくここまできた。

それを踏まえて最終週の2連戦に向けて丁寧に準備を進めた。

10月1日(土)16時00分、東海学生リーグ第8戦。対戦相手は中京大学。試合当日にバスに揺られて静岡入り。場所は草薙総合公園体育館。

中部大学 32-31 中京大学

前半立ち上がりから、リードを許す苦しい流れが続いた。学生たちは「今は我慢だ。我慢。」とお互いに頷きあっていた。我慢して食らいつき後半序盤に逆転。その後も両者譲らない一進一退の攻防が続く。最後まで勝敗の行方が分からない展開の中で「ここだぞ、ここだぞ。この時間帯の練習やってきたぞ。」とコートの中もベンチも、声を掛けあい勝利を掴み取ることができた。ベンチ入りが叶わなかった応援スタンドの仲間、静岡まで応援に駆けつけてくださったご両親たちも一緒になって掴み取った1点差の勝利だった。

10月1日終了時点での成績。

中京大学 8戦7勝1敗
大同大学 8戦7勝1敗
名城大学 8戦7勝1敗
中部大学 8戦7勝1敗

最終日を迎える時点で上位4チームが横一線の状態。4チーム全てに優勝の可能性が残されていた。

10月2日(日)11時00分。チームミーティング。前日の中京大学戦の簡単な振り返りと大同大学戦に向けての最終確認を行った。作取監督からメンバー発表を終えて、一旦解散。

同日、16時10分、試合会場前で再集合。15時00分から始まっている名城大学vs中京大学の行方をインスタライブ中継でチェックする者、自分のことに集中して黙々と準備を進める者。

激闘を制し中京大学が名城大学に勝利。これで中部大学は最終戦に勝てば優勝、負ければ4位という状況になった。あとは掌の上にあるものを掴み取るのみ。

16時30分、会場入り。
16時55分、ウォーミングアップ開始。
17時45分、大同大学戦、試合開始。

中部大学 26-28 大同大学

勝てば優勝が決まる大一番。前半を終え3点差を追いかける展開でハーフタイムへ。作取監督と共に戦術面の再確認を促す指示。それを元にコミニュケーションをとる学生たち。「明日じゃない、試合後じゃない、やるのは今、ここでや、後半30分に全てを出し切ろう」と声をかけあう学生たち。後半粘りに粘って一時逆転に成功。その後もがっぷり四つの展開が続く。しかし最後に力尽きて2点差での敗戦。タイムアップと同時に泣き崩れる学生たち。秋季リーグ戦は9戦7勝2敗で幕を閉じた。

10月2日、全日程を終えての上位4チームの成績。

中京大学 9戦8勝1敗
大同大学 9戦8勝1敗
名城大学 9戦7勝2敗
中部大学 9戦7勝2敗

中京大学の皆さん優勝おめでとうございます。熱い熱い2022年度秋季リーグに関わってくださった全ての皆さん本当にありがとうございました。

<2022年度 東海学生秋季リーグ戦結果>

中部大学 29-20 岐阜大学
中部大学 31-20 南山大学
中部大学 37-23 愛知大学
中部大学 26-22 岐阜聖徳学園大学
中部大学 37-23 朝日大学
中部大学 28-21 愛知教育大学
中部大学 23-26 名城大学
中部大学 32-31 中京大学
中部大学 26-28 大同大学

泣いても笑っても、インカレまでちょうど1ヶ月。まだまだこんなもんじゃない。個人としても、チームとしても成長していこう。